部活に行くべき?スクールに行くべき?

一般社団法人サンビスカス沖縄/代表理事/宮城哲郎

 

もう、かれから10年もサッカー事業に携わっているせいか、多くの人達からこのような質問を受けます。それは…

 

 「うちの子が、サッカーに興味があるのですが、部活に通わせるべきでしょうか?それともスクールに通わせるべきでしょうか?」

 

そんな質問です。はっきり言って、この質問に対する答えは凄く難しいです。なぜなら、その子の現在の状況や、家庭の事情、学校での様子など、様々な要因によって答えが違うからです。

 

何より、双方ともにメリットもあれば、デメリットもあります。そして、先ほども話したとおり、このメリット、デメリットもその子によって答えが違うというのを踏まえて上で、今回、僕の経験談を話したいと思います。

 

僕が最初に勧めるのは絶対に部活!

まず、サッカースクール事業をやっている僕が言うのもなんですが、このような質問を受けた際に、僕が最初に勧めるのは「部活への入部」です。

 

僕自身が、部活出身ということもありますが(スクール等がなかった時代なので)、やはり、部活のイメージとしては、毎日練習があり、そして週末には他の地域の子供達との公式戦があるのは大きな魅力です。

 

ですから、とにかく「サッカーに打ち込みたい」と思えば、まず最初に考えるべきは当然、部活への入団が良いでしょう。

 

ほかにも部活のメリットは、通っている学校にチームがあれば、同じ学校の友達と一緒にサッカーが出来るメリットもありますし、何よりほとんどの場合、チームの活動拠点が学校ということもあり、会場代やその他の出費も少なくいので、保護者が負担する会費が安いのもメリットではないでしょうか?

 

ただ、その反面次の様なデメリットもあります。それは、それぞれの部活徳治の方針と、子供達が「合わない」というケースです。

 

僕が小学生の頃は、まだまだサッカーよりも野球の人口が多く、指導者も少なかったので、毎日の練習は基本的に自分達で考えながらやるのが普通でした。

 

週末になると、保護者の中で選ばれた大人が「引率」のような形でリードしてくれ、その保護者がサッカー経験があればラッキーというぐらい、自由に楽しくさせてもらった印象です。

 

ただ、最近ではサッカーが指導できる人が増えた事もあり、「指導者の価値観も多様化」しています。

 

あるチームによっては、「毎日練習を何時間もやる事が強くなる為に重要だ!」と考える指導者もいれば、「子供のうちは本人達がいかに楽しくやれるか?」という事を重要視している指導者もいたりと、様々です。

 

実際に、どのカテゴリーで優勝する為にも「厳しい練習」というのは必須なのですが、問題は、小学生などのような時期に、サッカーを詰め過ぎてしまい、中学、高校と上がった時点で「燃えつきてしまう」というケースが増えていることです。

 

実際に、周りを見渡してみてもらいたいのですが、「小学校で物凄く強いチームにいたからといって、プロになっているのか?」と考えた際、そうしたケースって多いようでそう多くもありません。

 

意外に、子供の頃、自由にさせてもらっていた子ほど、いわゆる「アスリート」と呼ばれる選手になっています。これは、アスリートの人達のインタビューを見てもわかるように、小学生までの時期はサッカーを楽しんだ方が良いと本人達が語っている事からもわかります。

 

サッカーだけでなく、なんでもそうだと思いますが「まずは好きになること、その為にはサッカーが楽しいもの」というポジティブな感情を持ってもらう事が重要です。

 

サッカーが楽しいと思えば、あとは勝手に本人が自主制を持って取り組む様になってきますから、些細な練習でさえも物凄く集中して取り組むので、上達の速度もはやまりますし、逆に、強豪校でよくある「キツイ練習でも勝つ為にやらされる練習」に慣れてしまった子は、「サッカーの練習=我慢」という感覚になってしまうのです。

 

「明日の練習は休み!」と言ったら喜ぶのが日本の選手

 

僕はブラジルという国をはじめ、様々な場所でプロのサッカー選手としてプレーをしましたが、それらの国ではコーチが選手達に対して「明日はオフ」と語ると、子供達は、本当に残念がりますが、日本では逆です。

 

日本では、コーチが「明日はオフ」と語ると子供達のほとんどは、声を上げて喜ぶのです。正直、この感覚は僕にはわかりません。なぜなら、僕は小学生の頃は、三度の飯よりもサッカーがしたいという感じでしたから。オフなんていりませんし、家の中でも、授業の休み時間の間でも、とにかくボールを蹴りたくて仕方がなかったぐらいです。

 

もちろん、部活の全てが、そのような価値観ではありません。チームに寄っては「子供達がいかにサッカーを楽しんでくれるか?」そんな環境づくりに徹しているチームもありますが、これも部活によって違うのです。

 

そして、「厳しい練習=悪」か?と言えば、それも違います。小学生でも、凄大人の様に物凄く意識の高い子もいますし、そういう子にとっては「もっと、やろうぜ!」と思う子もいるからです。

 

ただ、この場合に決してやってはけないのが、「保護者の方が先走るパターン」です。子供はそうでもないのに、保護者が先走って子供の気持ちを無視して、そうした環境にいれてしまうパターンですが、僕がこれまで見てきた経験からだと、かなり高い確率で後になってサッカー熱が冷めています。

 

他にも、試合や練習が多くて、保護者の送迎の負担が大きい事もデメリットとしてはあげられるようです。今の時代、土日祝祭日に仕事をする世帯も増えていますから、こうした生活の変化に対応できない場合が増えています。

 

チームによっては「平等」という名で、仕事を休んででも保護者会の活動に参加しなくてはいけないチームもありますので、こうした土日出勤の人達にはハードルが高いかも知れません。

 

また、チームにたくさんの人数がいる場合、子供達が結果的にサッカーの専門的な練習がなかなか出来ない場合もあります。子供の数は多いけど、指導者の数が限られている場合は、どうしてもレギュラーメンバー中心の練習になってしまうので、こうした弊害も出てきます。

 

こればかりは、部活がどうこうの話ではありません。皆さん、ボランティアで指導をされているのですから、まずは指導者の生活が優先ですし、その中で合間をぬって子供達を見てくれているわけですからね。

 

スクール活動が向いている場合とは?

 

では、今度はスクールというものに対して考えてみますが、これも部活の話と同じで、スクールを運営している会社の方針によって、様々です。

 

スクール活動なのに、部活の様な活動を展開しているスクールもありますが、ほとんどの場合、部活のデメリットに対応する形で、スクールが存在していると言っても過言では無いでしょうが、うちのスクールを例にお話したいと思います。

 

まず、僕が考えるスクールの最大のメリットは、子供のペースでサッカーが出来るという事です。ここで言うペースとは、子供の生活リズムに応じてという意味です。

 

例えば、まだ幼稚園、小学校低学年でしたら、何か1つの事を没頭させるよりも「様々な経験、体験」をする事が、結果的に子供達の成長を促進させることは誰でも知っていることです。

 

これが部活という形だと、チームによっては部活以外の事が経験できないという事もあり得ますが、スクールだと違います。

 

月曜日はサッカー、火曜日は他の習い事、水、木はお友達と公園で遊んで、週末は家族で出かける。そんな経験が出来るのはスクールの最大のメリットだと思います。

 

その中で、その子本人の成長に応じて「サッカーにハマる」ことになれば、週1から週2という形で回数を増やせば良いですし、小学生を卒業するまで色々やっていても良いでしょう。

 

「このペースでサッカーは上達するのか?」と聞かれる事がありますが、サッカーの上達は、練習を週に何回やったか?では決してありません。

 

サッカーの上達で大切なのは、子供達が、自分自身でポジティブな気持ちでサッカーに取り組んでいるかどうかが重要です。(※あと、どんな上達のコツを教えてもらっているか…も。)

 

週に2回のサッカースクールに加えて、それ以外の日に、自分の家や、公園でボールを蹴っているという環境で、部活に通っている子達よりも上手な子はこれまでもたくさん出ています。

 

以前、あるスクール生の話ですが。所属しているチームと合わず、泣く泣くうちのスクール活動に参加していた子が、高校入学時にはJリーグの下部組織のチームに入団していたりもするので「練習量=上達」だけでは決してないのです。

 

サッカーが上達する為の大前提は、その子がサッカーを好きでいるか?どうかです。サッカーが好きな子は、そもそも練習がキツいとか、地味とか、そういう発想もないですから、どんな練習でもとにかくボールが触れれば楽しいのですし、そういう雰囲気を作っているスクールであれば、きっと子供達は「サッカー一本」でなくても上達はします。

 

他にも、部活の無い日や、チーム練習が中心になってしまう場合の「個人スキル」習得という形で、スクールを活用している子達もいますので、その辺りの柔軟な環境はスクールならではでしょう。

 

スクールのデメリット

ただ、スクールも良い事ばかりでは無いことも伝えなくては行けません。僕の考えるスクールの最大のデメリットは、スクール活動だけだと「公式戦」に出られないということです。

 

うちのクラブでは、そんな子供達の「試合」の環境を作って挙げるべく、自前の大会や、部活チームとの交流試合も開催していますが、「県大会で優勝したい!」そんな願いがあるのであれば、これはスクールだけでは提供できないので、僕は部活を勧めています。

 

他にも、スクールとはあくまでも「個人スキル習得が主」です。チーム戦術を学びたいというような場合も、同時にスクールでは不向きです。なぜなら、スクールのメンバーで戦術的な練習もやる事はやりますが、結果的に、一緒に公式戦を戦う事はないからです。

 

そんな事もあるので、基本的にサンビスカスのスタンスは、幼稚園から小学校3,4年生ぐらいまではスクールでサッカーを学び、高学年と呼ばれる年代になった時に、この子が「公式戦で試してみたい」という想いがあれば、どんどん地域の部活に通ってもらう様に声をかけています。

 

これも、結果的に子供達の意志なのですが、このようなスタンスのおかげで、地域の部活動とは上手く連携してやれている印象です。

 

地域の部活動の指導者は、どうしても一般のお仕事をされながらですから、全ての子供達を指導するのは難しく、特に学校も早く終わる低学年世代をしっかりと見るのは困難だという声もあります。

 

だから、そうした年代まではうちのスクールでサッカーに触れ、そして、高学年になったら部活に通う。このような関わり方をする事で、僕らとしても地域に根ざした活動になり、より「地域の問題を解決する」そんな、クラブ自体の在り方とも合っていると思っています。

 

部活とスクールでは役割が違う

 

このように、部活にもスクールにもそれぞれメリット、デメリットがあることを知る必要があります。そして、それを知った上で、子供達にとって「一番サッカーに夢中になれる環境はどこか?」という視点で、選択して欲しいと思います。

 

サッカーを通じて、サッカーが上達する事は素晴らしい事ですが、それ以上に、子供達にとって「日々のライフスタイルが豊かになること」がもっと重要です。

 

サッカーは子供達の成長を促進する為の手段であって、目的ではありません。ぜひ、それを踏まえた上で、最適な選択をして欲しいと思いますし、僕らもそれぞれの子供達のベストな環境を選択するお手伝いを今後もやっていきたいと思います。

 

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