サンビスカス沖縄/サッカースクール/幼児体育指導/運動遊び/
知念 悟
新年度が始まり、パタパタと忙しい方も多いかと思いますが、新年度の4月は、環境や気持ち、いろんなものが変化しやすい時期ではないでしょうか。
サンビスカスも同じで、みなさんもご存知のように僕たちコーチたちの異動があり、新しいスクール生や新しい会場に適応しながら、質の高いサービスを変わらぬようにお届けしようと励んでいるところです。
といった中、最近よく保護者の方に言われることがあります。
それは、
「なんか最近、スクールの雰囲気が少し変わりましたね?」
というお言葉をいただくことがあります。
もしかしたら、他にも感じられている方もいらっしゃるかもしれませんね?
その理由として、クラブが掲げている「持続可能な人材の育成」という目的に立ち返り、それをサッカーという手段で子どもたちに伝えたいという想いからです。
例えば、あいさつで説明すると、あいさつができる人間が素晴らしい人間になるかどうかは分かりませんが、大人になる上でコミュニケーションはやはり欠かせない要素ですよね。
仕事で相談するとき、指示をするとき、お客さんと対応するとき、関係性を構築するとき、色んな場面でコミュニケーションが求められます。
またAIの進歩によりロボットや機械が人の代わりとなって働く時代に進んでいることも考えると「人にしかできない仕事」が、今後より重要視されることでしょう。
そんな時代に進んでいる現代においても、自分の居場所を作れるような大人になって欲しく、コミュニケーション能力は必要になると思うのです。
ですが、何もその子の個性を否定して、「いますぐ大きな声であいさつしなさい!」という一方通行な関わりは正解ではないこともコーチ陣は理解しています。
あいさつが苦手、声が小さいというスクール生において、背中を押してあげながら、その子がこの前よりも頑張ろうとする姿勢を出せるように関わっていきたいと考えているわけです。
また、最近のサンビスカス沖縄のサッカースクールはサッカー色を強くしています。
(サッカースクールなのに変なことを言っていますが。笑)
それにも理由があり、サッカーという特徴を使って、より子どもたちの成長に貢献したいと考えたからです。
サッカーというスポーツは、45分間の前後半に、その前後半の間にハーフタイムと呼ばれる15分間の休憩や作戦会議を挟むスポーツです。
(高校や中学、ジュニアで試合時間は変わります。)
特徴として、バスケット、バレーボール、野球などのタイムの時間や回数が多いスポーツと違い、試合を始めてしまえば、ハーフタイムまでコーチや監督側が指示を伝えられる機会が少ないのです。
試合中も近くから指示を出せないこともないのですが、どうしても情報量は限られてしまいます。
何が言いたいかと言うと、サッカーというスポーツは、「プレーする人間に、常に判断が委ねられている」ということです。
ボールが来たら、シュート・ドリブル・パスを、自分の立ち位置や敵の位置や人数など、様々な選択肢の中から、自分の中で一番の選択を瞬時に判断して行動に起こさないといけません。
それは、ボールがないときや敵がボールを持っている場面でも、同じような判断が求められます。
その思考を止めてしまうと、一緒に戦っている仲間に負担をかけてしまいます。
このような特徴がサッカーにはあるわけです。
(もちろん上記の特徴はスポーツ全般に言えることではありますが、サッカーはその特徴が強いと思うのです。)
ただ、これって社会でも同じではないでしょうか?
様々な選択肢から、自分で判断して、行動する。
とても大切ですよね?
思考を止めてしまうと、周りに負担をかけてしまう。
社会でも一緒ですよね?
これからもきっと社会が変化する瞬間がたくさん起こります。
大変な状況においても、自分で判断して行動に移しながら、周りと協力できる人間。
それが、冒頭の「持続可能な人材」であり、サッカーならそれができるとサンビスカスは信じているわけです。
その上で、サンビスカスが大切にしてきた協力することや周りへの感謝など、これまで守ってきた文化を繋いでいきたいと思っています。
クラブが成長したいと変化を見せている中、子どもたちにもたくさんの変化と成長を感じています。
あるスクールでは、年長クラスで仲の良いスクール生が転勤や引っ越しを理由でサンビスカスを離れてしまい、1人残されてしまったのですが、
「サンビスカスで続けたい!」
と自分で決めて、小学生になってもサッカーを続けることになりました。
あるスクールでは、これまで怖くてボールを取りに行けないスクール生が、味方に迷惑をかけまいと少しずつ積極的にボールを奪いにいけるようになりました。
何より、一番変化を感じるのが、4月から発足された「サンビスカス沖縄FC U-12」の選手たちです。
僕自身、木曜日の練習のサポートに入っているのですが、高学年が積極的に声をかけ周りを引っ張り、1年生であっても必死に同じメニューを一生懸命こなしています。
練習日もスクールの週1から多い時は週に5回と増え、きっと体の疲労もあるかと思います。
ですが、コーチたちに言われたわけでもなく、ただ走って列に戻るのでなくドリブルしながら戻るといった、「もっと、もっと、上手くなりたい!」というギラギラした気持ちが、何気ない行動から溢れています。
きっと充実感でいっぱいなんだろうな。と子どもたちを見ていて凄く感じます。
そんな子どもたちの姿に刺激を受けながら、いま伸び盛りの神経系の発達とこれからの社会でも貢献できる人材育成に尽力していきたいと思います。