現在、運動あそびを実施している児童デイの中で、ダウン症を持っている女の子がいます。
この児童デイサービスとは、昨年度末から運動あそびを導入してくれており、多くの子ども達が運動あそびを楽しんでくれています。
施設の先生方からも、
いつもは集団活動に参加しない子が、参加できているので嬉しいです!
衝動的に行動してしまう子も60分間、最後まで頑張れているので助かります!
そんな嬉しい言葉をいただくことがあります。
ただ、僕の中で気がかりなことがずっとありました。
それはダウン症の女の子だけが、なかなか運動あそびの中に入ってこれないということです。
僕もこれまでの経験を活かしながら、その子が入ってきやすい雰囲気作りに努めました。
例えば、
鬼ごっこをしながら、〇〇ちゃん一緒に逃げよう~。
と、手を繋いで一緒に逃げようとしても断られ。
お手伝いお願いしていいー?
と、お手伝いはしてくれても、その後の運動への参加は断られ。
サポートをしてくれている施設の先生が一緒にしよう?
と、声をかけても断られ。
その子の運動に対するネガティブな感情をうまく取り除くことができません。
それでもありがたいことに、僕のことは気に入ってくれているようでした。
ギューっと抱きしめに来たり、伝わりづらい発音ではありますが、よく話しかけてくれました。
僕も運動あそびが終わって帰る前には、必ずその子と名前を呼んでタッチしたり、関係性を作ることを意識してコミュニケーションを図りました。
それでも、月に一度という多くはない実施回数だからか分かりませんが、僕のことを理解し始めても運動に対しては、あまり大きな進歩はありませんでした。
僕としては、普段の保育園やこども園の子ども達に提供している運動あそびとは、違う価値が児童デイにはあるという想いからサポートをしております。
それは、集団が苦手、感情のコントロールが難しい、こだわりが強い、理解力が弱いといった傾向があり、運動から離れてきた子が多いからです。
その中でもダウン症の子は、はじめてのことやチャレンジすることに対して、積極的ではないのです。
僕自身、児童デイに関わっているのであれば運動が好きな子はもちろん、ダウン症をもつ女の子も運動を通して、楽しんで笑って欲しいという強い想いがあります。
そんな中、ある日、嬉しいことが起こりました。
その子の中の変化なのか、僕が関わり続けた積み重ねなのかはわかりませんが、最近やっとその女の子が運動あそびに入れるようになったのです。
まだ多くの時間は、仲の良い施設の先生と手を繋いで一緒に参加してはいますが、とても大きな変化だと僕は思っています。
メニューによっては、途中で先生の手を離し、自分一人で一生懸命に運動を楽しむ姿があります。
その子の運動を楽しむ姿を見て、
「こういった子のために、貢献したいな。」
と素直に思えます。
これからもスクールや保育園などの子ども達への活動を続けながら、児童デイなどに通う運動の機会から遠くなっている子ども達に対しても、運動により「楽しい」と思える瞬間を届ける活動をしていきたいと思います。