あなたは、お子様の子育てで『抱っこ紐』を使用している(使用していた)でしょうか?
抱っこ紐を使えば、両手も空くので何かと便利ですし、兄弟がいる方であればそのお子様と手を繋いで一緒にお出かけをしたり買い物もできるので、良いですよね!
僕はまだ子育ての経験がないのですが、子育てをしている友人に聞いても「便利で助かる」という話を良く聞きます。
しかし、そんな便利な『抱っこ紐』ですが、使い方を誤るとお子様の運動能力を低下させてしまう可能性があると言われています。
外出時に使用している程度であれば、全然問題ありませんが、外出時だけではなく、自宅にいるときでも、ずっと抱っこ紐で生活をしているという方は、少しだけ注意が必要です!
○○ができない子どもたちが増加
保育園や幼稚園の運動指導をしていると、
- 鉄棒でぶら下がることができない(すぐに手が離れる)
- ハイハイが上手くできない
- 高ばいで手に力が入らずに崩れてしまう
など、その時期に備わっているべき運動能力が備わっていない子がおり、その人数の割合も年々増加しているように感じます。
そういった子どもたちは、経験不足による「発育や発達の遅れ」が原因の一つとしてあるのですが、抱っこ紐やベビーカーなどの道具の使い方を誤ると、その『発育・発達の遅れ』を引き起こしてしまう可能性があると言われています。
実際に保護者の方に話を聞くと、自宅にいるときでも長時間・長期間にわたって、常に抱っこ紐を使用していたという方が多くいらっしゃいました。
私たち人間は、関節や筋肉を上手に動かして身体を動かしているのですが、その時に筋肉に信号を届けるための通り道が「神経」です!
例えば、脳から「肘を曲げろ!」と言う信号を、神経を通して筋肉まで届け、そして実際に筋肉を操作して肘を曲げています。
この体を動かすために重要な神経は、生まれてから急激に発達していき、9歳までには大人の約90%の神経が完成されると言われているのですが、この神経は何もしなくても育つものではなく、たくさんの経験の中で育っていきます!
例えば、寝返りやずり這い、ハイハイなどあらゆる動きがその経験の一つであり、またそういった経験を通して筋肉も発達させています。
そのため、ハイハイの経験を多くした子ほどその神経系も発達し、また身体を上手に動かすための筋肉も発育していくといわれています。
しかし、近年は抱っこ紐やベビーカーの長時間や、大きくなってもずっと抱っこ紐で生活してしまうと、その時期に経験した方が良い動きの経験(ハイハイやずり這いの経験)が通常よりも少なくなってしまい、
- 抱っこやおんぶでしがみつく経験が少なく、手や腕の力が育たない
- ずり這いやハイハイの経験が少なく、肩甲骨や股関節が上手く使えずに動きがぎこちない
- ハイハイの経験が少なく、背骨のS字が作れずにケガをしやすくなる
といったように、神経系や筋肉、骨の発育・発達に遅れが出てしまうこともあるのだそうです。
だからこそ、常に抱っこ紐に頼って抱っこをするのではなく、機嫌が良い時には床でハイハイやずり這いなどの経験をたっぷりさせてあげてほしいなと感じます。
もちろん、「抱っこ紐やベビーカーを使わない方が良いですよ!」と言うわけではなく、子どもたちの身体を守るためにも、日常的に長時間使用する際は、少しだけ気をつけてほしいと言うことです。
抱っこ紐があるおかげで、育児が少しでもラクになることは、本当に素晴らしいことです。抱っこ紐がなければ、別の傷害(腰を痛めたり・手首を痛めたりなど)が起こってしまい、お母さんも大変です。
そしてさらに、上の子の面倒も見ながらの子育ては、本当に大変だと聞きますので、こういった育児グッズの特徴をしっかりと把握し、効果的に使用してほしいなと思います!
子どもたちの運動能力は、遺伝だけでは決まりません。
むしろ、生まれてからの環境こそ、大きな影響を与えます。
子どもたちの運動能力を高めることもそうですが、子どもたちが大きなケガをしない、子どもたち自身が自分の体を守れるようになるためにも、ぜひ抱っこ紐だけに拘らず、その他の便利な道具の使い方についても、お子さんにどういった影響が出るのかを、考えてみてほしいと思います!
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<運動能力アップのための講習会 詳細>
日時:12月17日(土) 17時〜18時半
場所:コザ運動公園陸上競技場会議室
参加費:無料
持ち物:筆記用具、メモ用紙
申込締切:12月15日(木)
*お申込方法
会員の方→ご登録頂いているLINEまたはメールにてお申し込みください。
会員以外の方→お電話(098-989-4695)にてお申込ください。