サンビスカス沖縄/サッカースクール/幼児体育指導/運動遊び/
知念 悟
ある園でのアミーゴ(保育園での巡回指導)の運動遊びのとき、
大人しい女の子がいました。
その子は、まだ運動に対して前向きな姿勢ではなく、みんなでやる遊びのときもこちらがリード(声かけ)をすると動いてくれる。
そんな女の子でした。
担当の先生方からも、
「運動が嫌いというわけでなく、自信がないんだと思います。」
と教えていただき、他の子たちより少しだけ気にかけてほしいと相談を受けていました。
その園は、今年から運動遊びを導入しており、男の先生であるボクにまだ慣れていないということも理由のひとつだったと思います。
運動遊び中のその子の表情は、こっちを見つめながら不安そうな顔でいっぱいでした。
ボクは「○○ちゃん、そのやり方で当たっているよ!」や「上手にできているよ!」といった声かけでその子に自信が芽生えるような接し方をしていましたが、あまり変化が見られなかったので、やり方を変えてみることにしました!
ボクもドキドキのアプローチ
運動遊びで新しい遊びを説明するとき、こどもたちにお手本になってもらいながら説明することがあります。
そして、そのお手本になってもらう子どもを決めるときは、説明をスムーズにしたい考えからどうしても運動に前向きな子や運動が得意な子にお願いすることが多かったのです。
ですが、この日は、、その女の子に「自信がつくきっかけを作りたい」と考え、お手本をお願いしてみることにしました。
「○○ちゃんに、みんなのお手本をお願いしたいんだけど、簡単な動きだから先生のお手伝いしてもらってもいいですか?」
少し悩みながら少し時間をあけながら、「うん。。」と返事をしてくれました。
(このお手本の結果によっては、運動することがもっと嫌いになってしまうかもしれない。。と、ボクもの中に少し不安もありました。)
しかし、そんなボクの不安をよそに、その女の子はお手本役として見事に役割を果たしてくれました!
きっとその子からすると、ひとりでみんなの前に出るという行為は、緊張する行動で勇気のいることだったと思います。
そして、その日を境にその子に大きな変化がありました!
居場所ができたことで得た自信
お手本を頼んだその日のアミーゴから、その女の子に笑顔が増えたのが見て取るように分かりました!
その笑顔は、アミーゴを重ねるごとに増え、ボクから「先生と一緒にやろうか?」や「少しお休みする?」そんな気にかけるような声かけをすることもなくなったのです!
園の先生方からも、
「外から見ていても○○ちゃんの運動遊びの姿勢が変わりましたね!」
「他の子に自分から話しかけたり、私たちのサポートもいらないくらい楽しんでくれています!」
そんな嬉しい言葉を頂くことができました!
はじめのころに担当の先生方から相談を受けた
「運動が嫌いというわけでなく、自信がないんだと思います。」
という、その子の気持ちや実際の運動遊び中に見せていた不安そうな表情は、もしかしたらボクら大人に見せていたサインだったのかな?と思いました。
この動きで当たっているのだろうか。。という自信の無さから、
もしかしたら
「アミーゴ(運動遊び)の時間に自分は居ていいのか?」
と気持ちを自然と抱いていたのかもしれません。
ボクら大人でも感じるレベルの合わない環境に直面したときの「場違い」の感覚を、その子なりにもしかしたら感じ取ってしまっていたのかもしれません。
ですが、勇気を出してみんなの前でお手本として役割を果たせたことで、
自分の運動に対する動きや気持ちをボクら先生たちにではなく、一緒にやるお友達に認められた。褒められた。
そんな感情を抱くきっかけとなり、運動遊びに対してその子に居場所を作ることができた。そう思います。
ボク自身、運動に前向きな子や運動が得意な子ではない子にお手本になってもらうことをお願いすることで、こどもたちの自信や居場所作りに繋がるのだと学ばせてもらいました!
そして、こどもたちの自信や居場所を作ることができたとき、こどもたちはものすごいスピードで成長すると感じました。
アミーゴの時間は、できないことを運動遊びを通してできるようになったり、楽しみながら運動や生活において必要な様々な能力やココロを養っていく時間だと考えています。
これからもこどもたち一人一人が抱いている運動に対して出すサインを見落とさずに、
ひとりでも「運動は楽しい!」
というココロになってもらえるようにより意識して関わっていきたいと思います。
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