「これ見て~、〇〇が作ったんだよ~」
保育園や幼稚園へ運動指導にいくと、子どもたちが話してくれます。
4才~6才の子たちが作ったものなので、上手なものもあれば、何か分からないものもあります。
完成度に関わらず「すごいねー」、「上手だねー」、「良くできたねー」という声をかけます。
その後に「気に入ってるところはどこ?」「がんばって作ったところはどこ?」
出来るだけそう聞くようにもしています。
その理由は、「すごいねー」「上手だねー」「良くできたねー」「エライねー」などの褒め言葉を使うことは悪くないのですが、そればかりだと結果に注目して評価しているということになりよくないと言われているからです。
もちろん子どもはほめてもらうことが好きです。
大人が子どもをほめるということは必要なことだと思います。
しかし何気なくこれらの言葉を繰り返すと、子どもはほめられることが目的の行動をとるようになってしまうこともあるので気をつけてねということだと思います。
そうなると評価してもらえるようなこと(自分が出来ること)には積極的になれるものの、評価されないこと(自分が出来ないこと)には消極的になったりするかもしれません。
そうならないように、子どもの行動がみられた場合に「興味を持ち→感情を認め→共感する」という会話のやりとりの積み重ねが大切だとも言われています。
例えば、子どもが自分で描いた絵を見せにきたとき。
「絵を描いたんだね!この絵は何の絵かな?」
「そっか、動物園に遊びに行ったときの絵なんだね!これはゾウだね!」
「この絵のどこが気に入ってるの?」
「どこをがんばって描いたの?」
そう聞くことが、子どものやったことに興味をもち、子どもの感情を認めることになり、この感情を認めることが「共感」するとなり、子どもが自分に自信を持つ原点となる。
また、自分の描いた絵のことを人に話すことで、自分が考えたアイデア、そのように表現した理由を振り返り、「次はこうしてみようかな」と前向きな考え方が育つ。
ゾウをむらさき色に描いていたら、「このむらさき色が個性的でかっこいいね」とあたりまえと違うところをみつけて認める事で、違うことを受け入れる心が育つ。
子どもが生れながらにして持っている自分自身を成長させようとする力を、大人がその能力を伸ばすことの一つとして、成長したことに喜びを見いだせるような声がけのできる指導者になれたらいいなと思います。