先日、『ぼくとパパ、約束の週末』という映画を会員さんに勧められて映画鑑賞してきました!
すごく良い映画、考えさせられる内容だったので、ぜひあなたにもお届けしたいと思いブログという形でお伝えできればと思います。
まず、この映画のあらすじですが、
特別な感性を持つジェイソンは、幼い頃から自閉症と診断されていた。生活に独自のルーティンとルールがあり、それが守られないとパニックを起こしてしまう。
ある日、クラスメイトから好きなサッカーチームを聞かれのに答えることができなかったジェイソンは、下部チームを含む56チームぜんぶを自分の目で見て好きなチームを決めたいと家族の前で言い出す。
こうして、ドイツ中のスタジアムを巡る約束をしたパパとの週末の週末の旅が始まった。
強いこだわりを持つジェイソンは、果たして推しチームを見つけることが出来るのか?
公式サイト(https://bokupapa-movie.com/)より引用
いかがでしょう??
サッカー好きやお子さんを持つ人であれば興味を抱く内容ではないでしょうか??
さて!
ここからは映画を観ての感想ということでネタバレも含みますので、ご了承のうえ読み進めてくださいね。
まず、あなたは自閉症についてどのくらい知っていますか?
自閉症が近い存在でなければ、なんとなく知っているけど、なんとなくしか知らないといった感じかもしれませんね。
自閉症とは、「自閉症スペクトラム障害」が正しい診断名となり、大きく2つの特徴があるとされています。
- 人の心の動きがよくわからないので、人間関係が上手く作れず集団になじめない
- 独自の強いこだわりを持ち変化を嫌うため、急な出来事に対処したり新しい環境に適応するのが難しい
これらの特徴について濃い人から薄い人までいて、人それぞれとなっています。
そうした特徴から社会生活において不自由を受ける場面が多いわけですが、作中で10歳のジェイソンもそのひとりです。
ジェイソンがこだわりで言うと、「食べ物は捨てない」「シェアは禁止」「パスタとソースは分ける」「試合は何があっても最後まで観戦する」「選手が円陣を組まない」「僕の身体に触れていい人は僕が決める」など多くの独自ルールが設定されています。
作中では、バス停でジェイソンのお決まりの椅子に誰かが座っていたらパニック。
スタジアムに向かう新幹線で出されたパスタにソースがかかっていてパニック。
このようなシーンでジェイソンの独自ルールが侵されたとき、作中でジェイソンはこのように表現をしています。
「パスタにソースがかかっているのを見て、ソースをどかしたいけど、シャアはできない。でも僕は食べられない。だけど、食べ物を捨ててはいけない。頭の中でたくさんの理論が小さな戦争が起こしているんだ。」
ジェイソンの中でルールは絶対であり、私たちが自然とできている「折衷案」というものができず、自分ルールに縛られ苦しむ様子が描かれています。
そして、このような姿(ジェイソンとパパ、ジャイソンとママ)を見て周りは、「しつけがなっていない」や「周りの迷惑になっているの気づかない?」や「小さな独裁者ね」といった表現で無意識な領域で攻撃をする描写があります。
他にも自閉症のジェイソンは聴覚が鋭く感じる感覚をもっており、学校で起こるドアを閉める音、話し声、ボールが地面に着く音、金属音など、私たちでは普通な環境音をジェイソンの世界でこのように聴こえている。という演出がなされ自閉症の苦労に近づけるようになっています。
また学校側に呼び出され、「クラスに溶け込むつもりがないのなら、特殊学校へ行ってください」といった辛辣な言葉を受けます。
そんなジェイソン個人の苦しみ、家族の苦悩、子育ての限界、周りのサポートなどが生々しく映画を通して描かれています。
個人的には、パパがジェイソンに向けて、感情が先走り言ってはいけない本音を吐き出し、それに対しジェイソンが返した言葉は、同じ父親として、ずっしり重い言葉として刺さりました。
ここまで聞くと「大変そう」「見てて辛そう」「胸が締め付けられるように感じそう」といった感情を抱くかと思うのですが、自閉症というセンシティブな題材を、週末家族でサッカー観戦をするという要素を加えることで、とても見やすくなっていました。
*作中ではクスッと笑えるシーンも多かったです!
またドイツリーグということで、ドルトムントやバイエルン、シャルケなど実際のスタジアムが登場するのもサッカー好きにはアツい演出です(^^)
話を戻すと、他人が自分に触るのを許せないジェイソンは、8万人が熱狂するスタジアムで無事に試合終了まで観戦できたのでしょうか?
そして、本当の意味で子育てに協力的ではなかったパパと、56チームすべてのチームを回れたのでしょうか?(ちなみに日本とドイツは面積がほぼ一緒。Jリーグも全部で60チームなので、置き換えて考えると大変さがイメージできますね!)
ぜひあなた自身の目で、ジェイソンがさまざまな体験を通して自身の世界(価値観)が広がり、成長(適応能力)していく姿、家族の絆が深まっていく姿を確かめて欲しいなと思います。
実はですね、、、、この映画は、実話がベースなんです。
そういった意味でも、自閉症や家族の在り方に対して、見る人に良い影響、良いメッセージを届けてくれる物語だと思います。
最後になりますが、100人にひとりが自閉症児と言われています。
あなたのお子さんがそうではなくても、意外と身近にいるかもしれません。
もちろん自閉症にも種類があり支援の種類も多様ですが、ジェイソン本人はこの映画を通して、「寛容」と「受け入れ」、そして「共感」の重要性について語っていました。
多様性の時代と呼ばれる現代では、1人の100歩より、100人の1歩が大事だと言われています。
今回のブログがあなたの1歩という位置付けになれば嬉しいですし、自閉症に対して「寛容」「受け入れ」「共感」をあなたの大切な人に伝えた積み重ねで、ジェイソンのように困る子が救われやすい社会になれば嬉しいですね。
PS.最後まで読んでいただいたあなたに残念なニュースとなります。
実はこの映画、沖縄では先日で上映終了になった可能性が高いです。。。
なので、ご興味ある方は、レンタルや配信など情報を追ってみてください。
それだけの価値がある映画だと思いますよ(^^)