僕らは運動を通して、幼児期から小学生までの世代の子どもたちとよく関わっています。
例えば、同じジャンプをするといった運動動作でも、年少の子に伝える声かけと小学生に伝える声かけでは変わってきます。
どのような声かけを送ることが、その子にとって一番理解しやすく、吸収しやすいかを探しながら日々運動指導を行なっており、その声かけによって能力が一気に上がる!
そんなこともよくあります。
実は、このような声かけも二種類にわかれていることをご存知でしょうか?
声かけのことを、「キューイング」と呼ぶのですが、今回は、この二種類のキューイングについてお伝えしたいと思います。
(これから先は声かけのことをキューイングと言いますね。)
普段の生活でも使える考えだと思うので、ぜひ最後までご覧いただけると嬉しいです^^
二種類のキューイング
さっそくですが、キューイングには、「インターナルキューイング」と「エクスターナルキューイング」という二種類があります。
まずは、それぞれのキューイングについて、説明していきますね。
インターナルキューイングとは?
インターナルキューイングとは、身体の内側に意識を向けた声かけのことを言います。
例えば、リフティングの場合、足首を固定してボールの中心を当てる。といった声かけはインターナルキューイングとなります。ジャンプの場合だと、太ももに力を入れて高く飛ぶ、といった声かけになります。
エクスターナルキューイングとは?
一方、エクスターナルキューイングとは、身体の外側に意識を向けるような声かけのことを言います。
先程のリフティングだと、足を天井に向けてボールを当てて。といった声かけがエクスターナルキューイングとなります。
ジャンプの場合で言うと、頭で天井を突き破るように飛ぶ、といった声かけになります。イメージで運動を伝えると考えると、分かりやすいかもしれません。
ここで浮かぶ疑問として、『どっちの声かけが良いのか?』ということだと思います。
身体の内側に意識を向けてるインターナルキューイングでは、指示が明確なため動きに集中できると言うメリットがあります。
先程のジャンプだと、太ももに力を入れればいいんだ!と意識の統一がしやすいわけです。
ですが意識が一方に向きすぎて、手が使えていなかったり、ジャンプの姿勢が悪くなったりと、全体の動きが崩れてしまう可能性があります。
実際の運動やスポーツでは、1つの筋肉と関節だけで動いて行うわけではないですからね。
このように考えると、身体の外側に意識を向けるエクスターナルキューイングは、動きのイメージが頭に浮かぶので、全身を連動した動きになりやすいというメリットがあります。
ただ、こちらもイメージを伝えることになるので、そのイメージが共有できなければ、思ったような動きにならないというデメリットもあります。
「結局どうしたら良いの?」
となってしまうと思いますし、理想は2つのキューイングを使い分けるということに行き着いてしまいます。
そういった中でも言えることがあり、インターナルキューイングは具体的な意識を持たせることができるため、新しい動きを習得したいときや意図的に身体への意識を高めて運動しようとするときに、より効果的だと言われています。
なので、運動への意欲が強い子や、身体の筋肉や関節の動きが理解できはじめている小学生などに使うと良いかもしれません^ ^
身体の外側に意識を向けるエクスターナルキューイングに効果的な場面として、股関節や足関節を使う!と伝えてもイメージが湧きにくい、運動経験がまだ少ないケースに効果的だと言われています。
そのため、まだ身体の感覚がいまいち掴めていない幼児期のお子さんや運動やスポーツを始めたばかりの子に使うと良いでしょう^ ^
なので幼児期や運動を初めたばかりの子に対しては、最初はイメージが湧きやすいエクスターナルキューイングを使いながら、徐々にインターナルキューイングを挟むながら、より精度を上げていく。
といった使い方が良いかもしれません。
キューイングを使い分けて工夫しよう!
いかがだったでしょうか?
同じ運動の動作ですが、伝え方ひとつで受け取るイメージが変わり、習得のスピードが変わるのは面白いですよね。
もちろん、お子さんの特徴によって合う合わないがあるので、ぜひお子さんと運動する際や日常生活の動きで伝えるときに、ご自身のお子さんにハマるキューイングを試してみてはいかがでしょうか?
僕も子どもたちの能力を高めるために、2つのキューイングを工夫しながら関わっていけたらと思います。