僕自身、子どものころ学校の休み時間や放課後に友達みんなと集まって、毎日のようにやっていた「鬼ごっこ」。
その鬼ごっこを、保育園や幼稚園でのスポーツ巡回指導での時間でもよく運動メニューの定番として取り入れています。
この昔からある定番の遊びは、幼児期に経験したい動きがたくさん詰まっている最強のあそびと言ってもいいほど優れた運動あそびです。
鬼ごっこには、体をコントロールする動きが多くみられます。鬼をよけるために、走る方向を変えたり急に止まったりします。走る速さに緩急があったり、倒れないようバランスをとったり、転ばないよう踏ん張ったり、いろいろな力を使います。いろいろなステップを使います。
予測したり考えたりすることも必然とでます。鬼からどうやって逃げるのか、鬼の動きをよく観察しないといけません。自分から動く(アクション)のか、鬼に動きに反応して動く(リアクション)のかという考えもでてきます。
一緒に逃げている人にぶつからないようにしたり、鬼につかまりにくいスペースを探したり、常に周りを見ながら、どのように鬼から逃げるのかという判断を繰り返すことができます。
また「こおり鬼」のように味方を助けるルールがある場合、逃げることだけではなく、味方と協力する姿勢が生まれてきます。逃げることを優先した方がいいのか、助けることを優先した方がいいのかという問題もでてきます。
これらの要素はサッカーにも生かされます。
たとえば、フェイントです。鬼をよけるために、右に行くフリをしてに左に行ったり、急に走る向きを変えたりなど、相手にボールを取られない動きと似ています。
また鬼ごっこは人にぶつからないように周りを見たり、あいているスペースを見極めて逃げたりします。これも、パスを回したり、ゴールに近づいたりするために必要な動きです。
子どもたちは、遊びの中で、自らどうすれば上手くいくのか考えて、考えて、全力で楽しむことができます。
楽しみながら、サッカー(スポーツ)に生かせるスキルが身に付いてくれたら嬉しいです。