「自分で決める。」の育て方

1日に最大で3万5000回。

この数字が何を表しているかご存知でしょうか?

実は、僕たち人間は1日に最大で3万5000回の「選択」を行なっているそうです。

日常の小さな選択から人生のターニングポイントとなる大きな決断まで、さまざまな「決定」を繰り返しているわけですが、その際に重要なことは決める力である「自己決定力」です。

自己決定力とは、自分の中で情報を取捨選択し自分の頭の中で考えて決定する力のことを言います。ちなみにこの自己決定力というのは、3歳から身に付きはじめます。

みなさんもお子さんに対して、自分自身で考えて決められる人になって欲しい。と思ったことがあるのではないでしょうか?

特にいまの時代は答えがスマホで簡単に見つけられる時代です。そのため「答えにたどり着くために考える」という時間は昔より少ないと言われています。

テクノロジーの進化で効率化が重視される現代によって、自然と自分で考えて答えを導き出す大切な時間が失われていると思うのです。

なぜこの自己決定力が大切かというと

  • 自己決定力が低いと決断できないため周りに流されやすい。
  • 判断に自信を持てないため行動できない。
  • 自分自身のことを信じられないようになりやすい。

と言われています。

また自己決定力が高いと、思考力や判断することで生まれる責任感や達成感、自尊心による幸福感が高まりやすいと言われています。

であれば、自己決定力は高い方が良いと思われるかと思います。

ここまで読んでいただければ、もう何となくわかっているかもしれませんが自己決断力は、「選択をさせてあげる」ことが重要になります。

つまり選択をする状況を作ってあげることが大事なわけです。

明日の学校に着ていく洋服を事前に用意や決めてあげるのではなく、明日のどの服を着ようか?と子ども自身で選び機会を作ってみたり。

夕飯で自分が食べるご飯の量を自分で入れさせるのも良いかもしれませんね。

もしかしたら、多く入れすぎて残ってしまうこともあるかもしれませんが、「明日はもう少し減らしてみようかな」と自分で考える機会に繋がります。

お子さんとの会話の中でも、「どうして?」という疑問形にして自分が選択した理由を引き出したり、決めることが苦手なお子さんなら逆に選択肢を絞って聞くのも効果的です。

『夕飯なに食べたい?』より
『カレーとシチューなら、どっちがいい?』

というような声かけですね。

もしかしたら、「わからない」という答えをするお子さんがいると思います。

その際は、わからないを簡単に否定するのではなく、まだその体験を通して自分の感情がどうなるかイメージするのが難しいや考えたことがないというパターンも多いです。

なので、まず一回だけしてみようか?どっちでもいいから決めてごらん。といった背中を押してあげるような声かけをして欲しいと思っています。

そういった経験を積み重ねていくことで、自己決定力は育まれていきます。

こうしてみると伝える側の意識次第で今すぐ出来そうなことが多いですよね。

ここまでお伝えしましたが、理想はそんな選択肢を与えられなくても自分自身で決めて欲しい。

という考えもあると思います。

僕もその考えに対して凄く理解できるのですが、実際に運動指導を通してたくさんの子ども達を見ている中で自分で判断することが苦手な子が多いことを現場活動の中で感じます。

自己決定が苦手な子も、得意な子は更に良さを伸ばしてあげるために、大人が簡単に決めてしまう前に、選択肢のレールを引いてあげることやフレームを作ってあげて、考えや行動を選べる機会を作ってあげることは、とても大事だと思うのです。

自己決定する機会をたくさん作ってあげることで、これがやりたい、こうしたい、これが好き、これが嫌い、といった自分と向き合い自分の心や感情を大切にできる人になるためのタネをたくさん蒔いて欲しいなと思います。

僕も運動を通して、たくさんの選択肢を広げられる経験をどれだけさせてあげられるか?という意識で関わっていきたいと思います。

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