ジュニアアスリートのケガが増えているワケ

サンビスカスの宮城奈津子です!

今月から、毎月第二月曜日にコーチブログを担当いたします!どうぞよろしくお願いいたします^^

初めましての方が多いと思うので、まず簡単な自己紹介をさせていただきたいと思います。

私は現在、サンビスカス沖縄の裏方として働いていて、なかなかスクール現場に顔出すことはないのですが、アカデミー(U-12)の練習には時々顔を出しています。

私自身の経歴は、宮城県の体育大学を卒業し、中高保健体育の免許を取得。その後、スポーツ系専門学校の講師を努め、トレーニング理論、機能解剖、運動生理、スポーツ障害、スポーツ心理に関する授業を担当させていただきました。退職後は、医療法人にトレーナーとして勤務し、その後はサンビスカス沖縄の立ち上げに携わり、現在に至ります。

これまでに、年齢性別問わず、たくさんの方々のトレーニングを指導してきました。

そして皆さんご存知の通り、サンビスカスにはたくさんの子どもたちがいます。当然、サンビスカスを立ち上げてからは、子どもたちに触れる機会も多いため、この10年間で子供達の運動環境の変化や、運動能力、発育発達の変化を日々感じています。

そんな中で、ここ数年気になったのが「子どもの怪我」についてです。

私たち世代が子どもの頃は、中学生・高校生がなるような怪我を、小学生のうちで起こしてしまう。肉離れ・腰痛・踵の痛み・股関節の痛みetc

専門用語でいうと「オスグット」「シーバー病」「シンスプリント」「腰椎分離症」「鼠径ヘルニア」などですね。

なぜ、このようなスポーツ障害が、小学生のうちで多発してしまうのか。

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運動の二極化

その原因は色々あると思いますが、大きな要因としては、外遊びが減ったことと、トレーニング強度が上がったことがあげられます。

現代は、運動する子はとことんやる。運動しない子は全くやらない。といった二極化が進んでおり、どちらも怪我の発生要因と言えるんですよね。

運動不足でも怪我はしますし、運動やりすぎても怪我をします。

私たちクラブでは、子どもたちに運動環境を提供することを10年以上やってきていますが、やはり週1回程度の運動であっても、運動不足の部類に入ります。子どもであれば、最低でも週に3回以上は30分以上の運動をしてほしいところ。

なぜならば、小学生までのうちしか、伸びない神経系があるからなんですね。

だからこそ、スクールでは「週に1回でも良いから、神経系を伸ばすためのメニュー」を意識的に行っています。(うんどうあそびの要素を入れてます。)

運動不足と怪我と何の関係があるのかというと、12歳までしか伸びない神経系の中には、「身を守る動作」というものもあります。

例えば不安定なボールを足で扱うサッカーは、片足でバランスを取り、転ばないような神経を構築します。まだ体が小さいうちなら、例え転んでも大怪我にはなりません。

ですが、大きくなるまで転ぶ経験がない子が、突然運動部に入ると、正しい転び方がわからず、顔から落ちて大怪我をしてしまったり、変な形で地面に手をついてしまい、骨折するケースも少なくありません。

そうならないように、県内各地の保育園でうんどうあそびの指導を導入していますが、ある園では、怪我の発生率が多く行政指導を受けた園が、サンビスカスのうんどうあそびを導入して怪我が0になったと報告してくださいました。

当然、園の先生方の見守り体制も良かったと言えますが、やはり子供達の運動環境を変えたことは、怪我を少なくした大きな要因だと思います。

このように、運動不足で起こる怪我に関しては、幼少期のうちに運動経験を積むことで、比較的解決することができます。

逆に問題なのは、運動のしすぎによる怪我です。いわゆるジュニアアスリートと呼ばれる子どもたちですね。

運動のしすぎの原因はというと、ジュニア世代から競技性が高まったからだと感じます。

私たち世代の小学生の部活(スポーツ少年団)といえば、子どもたちが集まってスポーツを行い、それを保護者が見守るような、なんとなくほんわかした空気感で行っていました。勝ち負けというよりも、遊びの延長といった形です。

でも、今は競技性が高まり、専門のコーチがいたり、指導者ライセンスを取得したコーチがいたりして、本格的な指導を受けることができます。

また、部活だけでは足りず、その競技性をより高めるため、専門のスクールに通ったり、パーソナルジムや、トレーニングジムに通ったりする子もいます。

当然、昔よりも専門的な指導を受けられる環境が整い、それゆえ競技力も向上したと思いますが、置き去りにされているのが、子どものコンディションについてです。

小さな体で、練習量が多いため、オーバーワークになっているんですよね。

指導者に知識があれば、当然練習後のケアやストレッチについてしっかりと指導をしていると思います。そこを徹底して行っているチームは怪我も少ないと思います。

子供達はどうしても夢中になってしまうので、やっている最中は気がつきません。大抵終わった後に「なんか痛い気がするな」と感じてきます。この頻度が多くなってくると、怪我をする手前。注意が必要になります。

特に、成長期というのは骨が先に伸びるため、筋肉の伸びが骨の成長に追いつかず、筋肉が常に緊張した(張った)状態が続きます。それを放置して同じようにトレーニングをしていると、緊張している筋肉に強い負荷を入れ続けるため、筋肉や関節に炎症を起こしたりするわけですね。

そのため、練習前のウォーミングアップは、筋肉の緊張を取る意味でとても重要ですし、練習後は筋肉にたまった疲労を取り除くため、ストレッチやアイシングが大切になってきます。

子どもだから、ほっといても大丈夫!と思っていると、思わぬ怪我をしてしまう可能性もあります。

もちろん、スポーツですので怪我はつきものですが、可能な限り、周りの大人でケアしてあげられるといいですよね。

ここをしっかりと把握した上で、子ども達の運動環境を守っていかなければいけないなと、日々感じています。

なので、これからはこういったコンディションに関する情報提供もしていきたいと思っていますので、ぜひ楽しみにしていてください。

指導者だけではなく、お子さんに一番近い保護者の皆様が知っていると、より良いですもんね^^

もし、お子さんのコンディションに関して気になることがあれば、いつでもご連絡ください!

それでは、今日はこのへんで。

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