前向きな気持ちで取り組むために

サッカーの目的は、ゴールを奪う、ボールを守るということです。

その目的を達成するためには、技術・戦術・体力といったそれぞれの能力を高める必要があります。

そのそれぞれの能力を高める過程では、選手がコーチに言われたことを、やみくもに練習するだけよりも、バイオメカニクス的なアプローチを選手に行い、練習に取り組んでもらうことの方が、上手くいっているのはなぜか?失敗したのはなぜか?という原因が分かり、選手本人も納得することで上達スピードが速くなり、また継続して練習する意欲も高まり、より高いレベルの目標を持つことができるようになると考えます。

さきほどバイオメカニクスという言葉がでてきましたが、簡単に説明すると、生き物がどのような力を発揮して、どのように動いているかを、力学を使って説明しようとするものです。

分かりやすいもので例えると、足が速い人はどのような力を発揮して、どのような動きをしているのかを明らかにするといったところです。

例えば、サッカーの技術的なキックをバイオメカニクス的にみていくと、キックをした後のボールの速度は、「インパクト前の蹴り足の速度」「ボールと蹴り足の反発係数(跳ね返りの比率)」「蹴り足の重さ」で決まるといわれており、それぞれの要素を大きくすることが最終的にボールの速度を大きくすることにつながります。

それが技術的なポイントの一つにもなり、もっとキレのある速いボールを蹴るためには、「スイングス(足を振る)スピードを上げることを意識しよう!」などの声を選手にかけることで、「すること」が明確になります。

また体力面では、現代のサッカーの試合で求められるフィジカル的要素を理解し、トレーニングから意識することで、より高いレベルのプレーができるようになると考えます。

一例として、フィジカル的要素のひとつである「スプリント」をみていきます。

日本のサッカーにおけるスプリントの定義とは、「時速24km以上のスピードで1秒以上走った回数」と定めらています。

「試合中にダッシュ(に近い動き)をどのくらいのスピードと回数で行っているか」といったところです。

特徴①
時間が短い(約2秒)、距離が短い(20m)、繰り返し行われる、方向転換、ターンを伴う。

特徴②
一流選手は20m走において優れたそう能力を示すが、それは10m地点においてもすでに現れている。このことから、サッカーにおいては非常に短い時間にいかに加速できるかが勝負になることを意味している。

特徴③
一流選手は試合全体の総移動距離に変わりはなくとも、スプリントで走る距離が長い。このことは、サッカーにおいてスプリント走をゲームの後半になっても繰り返し走り続けることのできる能力と、繰り返し行われるスプリント走の間にいかに早く回復することが重要になるかが現れていることになる。

スプリントのトレーニングともなると、ともてハードです。身体的にも精神的にもきつい状態となります。

しかし、どのトレーニングにもあてはまりますが、選手自身が、この練習は、何のために、どんな機能が向上するから、だから試合で活躍することができる。


そんなイメージにつなげていくことができれば、ハードな練習にも、積極的の気持ちで取り組むことができ、それを早い時期から身につけることで、さらに上達する方法を選手自身が自ら考え、自立した選手へと成長していくことになると考えます。

ぜひ、意識してみてくださいね。

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