サッカーの指導者になり、サッカーについて勉強すると、よく「認知」→「判断」→「実行」という言葉がでてきます。
これはサッカーは、まず「認知」(今どういう状況なのかを理解する)をして、何をするのかを「判断」して、パスやドリブルやシュートなどを「実行」する、プロセスがあるということです。
言葉にすると、このプロセスを通して一つひとつのプレーがおこなわれているんですね。
ということは、「認知」の部分というのはとても重要で、どれだけ技術があっても「認知」をすることができないと、良いプレー(状況に応じた効果的なプレー)もできないともいえますよね。
たとえば、「ドリブル(パス)をして相手にボールを奪われゴールを決められた」とします。
そこで「実行」の部分だけに目を向けると「じゃあドリブル(パス)の練習がもっと必要だ!」となります。
ですがそもそも本当に「ドリブル(パス)をすることがよかった状況であったのか?」という「認知」の部分に問題があるのかもしれないということです。
そのことからも、認知の部分はサッカーをする上で、非常に重要な能力の一つともいえますよね。
そこで今回は、「認知」(今どういう状況なのかを理解する)をして良いプレー(状況に応じた効果的なプレー)ができるようになるためには、どんなことを意識をすればいいのか?
僕自身も実際に意識してプレーするようになったことで、プレーが良くなったと感じる「認知(観る)の原則」についてふれてみたいと思います。
「認知の原則」では、周りの状況を観察するためのポイントが整理されており、「何を、いつ、どのように観察するか」のポイントがはっきりし、必要な情報を集めることができるようになります。
何を、いつ、どのように観察するか、のポイントは以下のようになります。
①何を観るか
- ゴール/攻撃方向
- ボール保持者の状況
- 味方の状況(お互いを観ておく)
- 相手の状況(変化)
- スペースの状況
②いつ観るか
- ボールを受ける前
- ボールの移動中
- ボールを受けたあと
- プレーしたあと
③どのように観るか
- 身体の向きを整える
- 周りを観る
- 遠くを観て、近くを観る
子どもたちを指導する際にも「認知の原則」を学ぶことで、子どもたちがミスした時に、それが単なる技術だけの問題ではないということが以前よりも分かるようになりました。
ドリブルをする前に状況を理解できていたのか、そもそも状況に応じた最も適したプレーを知っているのか、そもそも状況を把握できていなかったのか。
認知のミスなのか、判断のミスなのか、それとも実行のミスなのか。
もちろん単純な技術のミスというケースも多いですが、子どもたちのプレーが改善され良くなるように、子どもたちのプレーをよく観察し、それに適したアドバイスをできるようしていけたらと思います。