「ウチの子、サボってばかりなんです…」

from 宮城哲郎

 

以前、サッカースクール交流大会でこのような相談があった。

「うちの子、ずっとゴール前で立っているだけなんですが、サッカーやる気があるのでしょうか?」

というご質問。

 

そうは言っても実際に目で見ていないと何とも言えないので、

保護者の方と一緒にその子の様子を見ていると。

 

確かにゴール前(自分達の守るゴール)で待っている。

 

他の子供達は夢中になってボールを追いかけているのにも関わらず、

この子だけはゴール前で立っているのだ。

 

確かに、その様子を見たら保護者は心配になる。

 

「なぜ、うちの子はボールを追いかけないのだろう?」

「なぜ、うちの子はぜんぜん走らないのだろう?」

という風な心境になるのは普通かもしれない。

 

でも、実はこの現象から、何気に子供の考えている事がわかったりするので、

今回は少しだけ僕の経験からお話ししたいと思う。

 

 

子供って実はちゃんと考えている

このように子供がゴール前でまっている現象というのは、

実は子供のサッカーの試合を見るとよくある光景。

 

これが他人の子だと気にならないのだが、

自分の子供になると親の立場からすると、

色々な想いが溢れるのもわかるのだが。

 

この場合、本人にその理由を聞いてみると、

「お、この子すげぇな?」という事がわかる。

 

実際に、僕もこの試合の後に、その子の所にいって

「なんで、ゴール前でずっと待ってたの?」

そう聞いた所、その子からは…

 

「だって、僕がゴール前にいないと、敵が攻めて来てすぐにやられちゃうから…」

そう答えてくれた。

 

このように、子供には子供なりの理由で、

意図のある行動をしている事って多々あるということだ。

 

他にも、ずっと相手陣地で「待ち伏せ」をしている子に限って、

「ゴール前で待ってた方が邪魔されずにシュートをうてる」

という風に考えている子供がいたり。

 

中には、ゴール前に寝転んでいるので、その理由を聞いた所…

「寝たフリをしてたら敵が、マークしないでどっかにいくからフリーになる!」

なんていうように、本当に意図があったのか、それとも単に休みたかったのかが、

分からないぐらいの理由(意図)を伝えてくれる子もいる。笑

 

要するに、子供には子供なりの考えが色々あって、

それを…

 

「ボールを追っかけていないからやる気が無い」というフレームだけで

考えちゃうと非常にもったいないというわけなのだ。

 

南米流!子供のポジション適正判断方法

僕が海外でプレーをしていたのは、

色々な所で書いてあるのであえて話さないが。

 

実は、南米(サッカー王国)と呼ばれる国に住んでいたとき、

子供達のサッカー育成現場を見て友人のコーチが面白い事を話していた。

 

それは、この子供の試合中での様子で、ポジションの適正を図るという方法だ。

 

例えば、上記でも話していた、じぃーっと自分達のゴール前で待っている子の場合。

とにかく「失点を嫌う」という傾向があるのでこの行動をとっているわけだから。

 

攻撃よりも守備の選手としての方が、性格的な適正は高いと考えられる。

 

なぜなら、いくらこの子に対して、

「攻撃をやってこい!」と指示をした所で、

どうせ守備に帰って来ると可能性が高いからだ。

 

逆に、相手ゴール前で待ち伏せをしてチャンスをうかがうタイプの子には、

攻撃でも特にストライカーの適正が存分にある。

 

他の子達から「おい、お前も守備を頑張れよ!」

そう言われてもふてぶてしくゴール前に居続けるのなら、

もう本格派のストライカーらしい。笑

※実際に僕のプレースタイルはそこ。

 

常にボールにからみ、何度ボールを奪われても、

また突進していく子に対してはドリブラーの適正があるそうで、

ドリブルを活用できるポジションを選択させたり。

 

やたらリーダーシップを取る子、

そんなに動かなくてもとにかく声がデカいという子は、

ボランチなどのようなチームの中心的なポジション、

そしてカピトン(※キャプテンの意)をさせることが多いとのこと。

 

あと、目立ちたがりやで背が高い子は、

「絶対にキーパーが向いている!」という事も言っていた。笑

※実際に、僕がこれまで出会ったプロのキーパーはちょっと変わったヤツが多かった。

 

このように、サッカーには色々な現象が普通におこることを前提に、

色々な価値観や考え方を持つ子達が、それぞれの場所で…

 

一番、力を発揮しやすいポジションや役割を、

与えることが重要だと言うことを僕は学んだ。

 

自分で強みに気付くチャンス

実際に、沖縄に帰ってきてから、

これまで1000人近くの子供達がウチのスクールを巣立ったが、

根っこのベースにはそういう考え方があったため。

 

 

ずっと、キーパーだったヤツが

FWに転向しJクラブのユースに合格したり。

 

ずっとFWだと思っていた子が、

サイドバックのポジションでJクラブのユースに合格したり。

 

こういうことは頻繁に起こるようになった。

 

ちなみに、これは僕自身がポジションの変更をしたわけでも、

そのような指示をしたわけでもない。

 

本人達と向き合い、

「そのプレーにはどんな目的があったのか?」

それを一人のサッカー人として聞いていたら、

 

話しているうちに本人が自覚して、

勝手に開花したというパターンがほとんど。

 

だから偉そうに、

「俺が育てた」なんて言うつもりも毛頭ないが。

 

それでも、子供達のやった行動の意図を、

こちらの色眼鏡で判断するのではなく。

 

「ねぇ、なんで今のプレーなの?ちょっとオモロいじゃん?」

これぐらいのポップなノリで相手を尊重する方が重要だというのも

長い経験の中で知ることができた。

 

 

そもそも論だが、そうやって自分の強みに、

子供達自身が気付き、

 

サッカースクールに通いながら、

バレーボール、バスケット、剣道、陸上に、

ラグビー、バドミントンなどなど…

 

サッカー以外の競技にも可能性を見出し、

なんと大会で優勝や上位進出を果たす子もいた。

 

だからこそ、冒頭の保護者には、このような話をしたし。

 

もしも同じ様な悩みや心配がある保護者がいたら、

ぜひ、僕にそういう話をしに来て欲しい。

 

 

基本、僕はサッカーの話は大好きだが、

子供の話は更に好きですから。笑

 

では、今日も良い1日を…

 

宮城哲郎

 

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