サンビスカス沖縄/サッカー教室/幼児体育指導/保育園巡回指導/サッカースクール
大城 充幹(サッカー協会公認B級コーチ)
子どもたちは周りを笑わせようと、おかしなことをすることがよくあります。
そこには、
誰かを笑わせることが好き
誰かが笑ってくれることが嬉しい
目立ちたい
など、目に見ない理由があると思います。
サッカースクールでも毎回そんな場面を目にしますが。サッカースクールの幼児クラスでも、自分のお腹を、わざとボフっと叩いて「オェッ」て大げさにリアクションをする、なんてことをして周りの子の笑いを誘う子がいました。
周りの子どもたちもそれを見てゲラゲラ笑っていました。
その子も、周りの子たちも楽しそうです。
でもスクールの時間の練習の合間に毎回それをやられると、周りの子もそこに引きずられしまい練習の流れが止まってしまうこともあり、今はやらないでほしいということを伝えていました。
それでもその子は、一時は残念そうにするものの、またすぐに「ボフッ!」、「オェッ!」なんてことを繰り返していました。
子どもだからそうなりますよね。
そんなとき僕は、「子どもは一回で言うことを聞かないものである」という考えを持つことを意識しているので、伝えることは繰り返し続けます。
そしたら、いつしか気がついたらそんな行動をやらなくなっていました。
また周りもそれを期待している様子もないので、落ち着いた雰囲気が続いていました。
【笑いで助ける】
そんなある日のスクールで、一人の子が練習中に転んでしまって泣き出してしまいました。
起き上がることもなく、そのままその場に顔をうずめてずっとうつ伏せに寝転んでいます。
すると、周りの子どもたちも心配そうな様子でその子がいる先に目をむけて、どうしようと自問自答している様子でした。
そこで、「どうしようか?」と言う僕の言葉に反応して、すぐさま子どもたちが、泣いている子どもにかけよりました。
「ねぇ、だいじょうぶ?」、「立てないの?」、「痛いの?」そんの言葉をかけていると思いますが。
でも、顔を地面にうずめながら、反応したら負けという態度で無反応を貫き通す。
するとこの場面で、伝家の宝刀、必殺「ボフッ!」、「オェッ!」を炸裂しました。
しかも、連続「ボフッ」、「オェッ」。
それを見て、もう一人の子もそれを真似して「ボフッ!」、「オェッ!」。
「ボフッ!」、「オェッ!」。「ボフッ!」、「オェッ!」。「ボフッ!」、「オェッ!」。
「ボフッ!」、「オェッ!」。
すると、手と地面のスキマから表情が緩んだの見えました。
そしてついには「ボフッ!」、「オェッ!」に笑いをこらえきれずにゲラゲラ笑いました。
そして、ムクっと起き上がりトコトコと歩き出し、またスッと練習に戻ることができました。
人を笑わせることに喜びや嬉しさを感じたり、誰かと笑い合うことに楽しさを感じる。
でも、それも時と場を間違えてしまうとだめで。
でも、時と場で相手を助ける力ともなる。
笑わせようとすることは、「周りの人を楽しませたい」というその子の優しさ。
人を助ける。救うということがその子の手段としては「笑わせる」ことで。
人の話を聞くことでそれをしている人もいて。
人に話すことでそれをしている人がいて。
自ら明るく振る舞うことでそれをしている人がいて。
自ら引っ込んでいることでそれをしている人がいる。
誰かは誰かに助けれらていることにもバランスがあり、調和がある。
そして、そんな風景はごく身近にたくさんあり、そこに目を向けられいる瞬間が幸せな時間で、素晴らしい日々となっていく。
ある日のサッカースクールのそんな子どもたちの行動が、これまでの日常には僕が思っていたよりもたくさんの優しさがあふれていたのだということに気がつかせてくれました。
たぶんそれは、これまでとは違った世界が思った以上に終わりをつげてくれないという不安や、行き場のない思いなど、はっきりとした理由からだと思っています。
これが僕の予想の範囲の中で、なんとなく普段の生活に戻っていたら、いつものように忘れていく一つの出来事になっていた気がします。
そしてそれは、人と人が触れ合うという時間の合間に起きるものだということを、そのときの風景と一緒にいつまでも覚えておきたいです。
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