試行錯誤をできる環境づくり

先日、保育園での運動指導で、子どもたちにボールを遠くのカゴの中に入れる遊びにチャレンジをしてもらいました。

5・6人のグループをつくり、スタート地点から20メートルほど離れたところに置かれているカゴに入れることができたらチャレンジ成功です。

ルールは、地面にボールを落とさないようにすること。一人一回だけしかボールにさわることができないことです。

そのことだけを伝えて、ゲームをスタートしました。

すると、子どもたちはみんな

「えっ。どういうこと。どうやればいいの。」

という表情をしながら、戸惑っていました。

もちろん、すぐにできる方法を見つけることは難しいです。

  • 一人でなんとなく動き出す子
  • それについて行く子
  • その場から動かない子など

そんな様子を見ながら、僕は「グループで協力すること大切だ!」と抽象的なことや「一人ひとりがどこに立てばいい?」など具体的な問いかけを続けていると。

すると、ある子が「あ、縦になればいいんじゃない」と言いました。(カゴに向かって一列になりバケツリレーのイメージでボールを運ぶ発想)

そしてそれを試す子どもたち。

でも、上手くいきませんでした。

ボールを落とさないようにと、一人ひとりが手渡しのできる距離だったため、最後にボールを受け取った人からカゴまでの距離が遠かったためです。

でも、いいところまできています。

そこで「最後にボールを持っている人がカゴから遠いと難しいね。どうしたらいい?」と、また繰り返し問いかけていたら。

また誰かが、「離れてボールを投げたらいいじゃない」と言いました。

そして、スタート地点からカゴまでの間をお互いの距離が均等になるように子どもたちは並び出し、ボールをポンポン次から次へと投げていき見事にカゴの中に入れることができました。

成功するまでにも、ボールを投げることが苦手な子がいたり、キャッチが苦手な子がいたり、地面にボールを落としては、並ぶ順番を変えてみたり、離れる距離を変えてみたり、やり直しを繰り返しながら、子どもたち自らがいろいろ考え試行錯誤して工夫して、チャレンジに成功した子どもたちの表情はとても嬉しそうでした。

クラスの先生も、「A君はこっちに立って、B君はこっちに立って!そしたら上手くいくでしょ!」という気持ちをぐっとこらえ、子どもたちの様子を見守っていてくれました。

試行錯誤をできる環境と、時間を与えることが、大人が子どもに対してできる最も価値のあること。

頭では分かっていますが、それを実行することはほんとに難しいと思う日々。

僕自身も、子どもたちを指導者する者として、成長していけたらと思います。

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