2023年も残り僅かですね!今年も子ども達が成長した場面をたくさん見させてもらいました。
そんな中で今回は共通する2人の男の子の話をしたいなと思います。
キッズスポーツに通うひとりの男の子がいます。
その子は初めての場所や初めての人などが得意な方ではなく、最初の頃はスクールに参加することも難しい時間がありました。
ちなみに初めての場所にスムーズに入れない子も今は珍しくありません。
強制はせず、まずは僕のそばで見るところから始まり、ボールを蹴ることが好きなため、ボールキックのメニューやサッカーのゲームなど、徐々に途中から参加できるようになってきました。
それでも日によってはスクールに来ることは出来ても、緊張から泣いて見学席に座っているお母さんのそばから離れられない日もたまにありました。
僕はその子に対して、他の子よりも緊張してしまう気持ちを理解しながら、練習はやらなくてもいいから会場に入ってそばで一緒に見ているだけでいいよ。○○くんのタイミングでやりたくなったら声かけてもらっていい??
という声かけを続けました。
大好きなお母さんから離れて勇気を出して会場に入る。運動自体は大好きだったため、心の成長を願い、その子には関わっていました。
そんな2ヶ月前までの出来事です。
今ではその子は会場に一番乗りで早く来て、小さな弟とふたりでサッカーをして楽しんでいます。
大好きなお母さんから離れられない子から、自分が頑張っている様子を大好きなお母さんに見て欲しい!というモチベーションで積極的に運動にチャレンジしています。
また苦手な無料体験で参加した初めての環境が苦手な子に対して、水筒の置き場所やスクールのボールの取り出し方を教えてくれるといった、見間違るほど成長した姿を見せてくれるようになりました。
そんな見ているこちらも嬉しくなる場面も増えてきました。
さて、もうひとりの男の子は児童デイに通う小学生の男の子。
その子とは月に一度施設で行う運動あそびで関わっています。
実はその子は、学校に行けずにいました。
個人の話なので詳しい話はここでは書けませんが、この児童デイにいる時間がその子にとっての「安心できる居場所」でした。
とくに運動あそびが大好きなようで、狭い室内ではあったのですが、いつもニコニコした笑顔で運動あそびを楽しんでくれていました。
僕もしっかり者のその子に対して、施設の中で学年が上だったこともあり、お手本やリーダー的な役割をお願いすることも多くありました。
その子もリーダーのポジションという頼られていることが嬉しそうで、持ち前の優しい雰囲気も活かしながら子ども達全体をまとめてくれました。
一番感動した場面として、10名程度の児童全員で輪になり手を繋ぎ、拍手の数だけ手を離さずにジャンプするといった運動あそびを行なった時です。
その男の子が、
「まず右と左どっちに跳ぶ??」
「◯◯ちゃん右がどっちか分かる?○○お姉ちゃんのところにジャンプしてね!」
「バラバラに跳ばないで、せーので跳ぼうよ!」
こちらがアドバイスを送る前に率先して周りをまとめてくれたのです。
その日の運動あそびが終わり、施設の先生達に教えてもらったのですが、男の子の心の成長を見て、涙がうるっときました。そう教えてくれました。
こちらの話は、3ヶ月ほど前の出来事。
実は今では、その男の子は毎日学校に通うことができているようです。
その子に学校は楽しい?と聞いてみると、少し考えた様子で、
「うーん。楽しいときもある。というか楽しいときを見つけようとしている!」
そんな前向きな言葉を教えてくれました。
ちなみに最近は、その子から学校の悩みとかお母さんと喧嘩したとか、ちょっとした相談を受ける仲です。笑
年齢も学年も、抱えている壁や悩みも違うふたりですが、とある共通点がありました。
それは周りのサポートです。
タイトルにもあるように、「良い花はあとから」ということわざがあります。
簡単な意味として、早くから咲き始める花より後から咲く花の方が美しくという事を、ことわざに転じて、良いものは時間を十分にかけ後から現れるという意味になります。
今回のふたつの出来事も、「うちの子はスクールに入れないから辞めさせよう。」であったり、「理由は関係なく学校に絶対行きなさい!」といった早く決断されてたら訪れなかった変化だったと思うわけです。
もちろん本人たちの頑張りや気持ちの変化が一番凄いことですが、保護者や先生たちといった周りの大人が子ども達を理解してあげる気持ちが繋げてくれた出来事だったと思うのです。
いま苦労していることや、壁を乗り越えようともがいていることも、後に素敵な良い花を咲くために必要な瞬間なのかもしれません。
肥料という環境を準備し、太陽のように見守り、背中を押すように成長の水を与えることで、たくさんの良い花を咲かせられるように、長期的な視野でも子ども達と関わって行けたらと思います。