サンビスカス沖縄/サッカー教室/幼児体育指導/保育園巡回指導/サッカースクール 大城 充幹(サッカー協会公認B級コーチ)
「何かをやってみたい」と思った時には、多くの場合やってみたいと思うきっかけのようなも があると思います。
たとえばサッカーの場合だと。
友達がサッカーをやっていた、お父さんがサッカーをやっていた、兄弟がサッカーをやっていた、サッカーのテレビをみた、などがあると思います。
しかし近年は、サッカーの世界でもそうですが、スポーツ全般で、そのきっかけの部分を意図 的につくり、やってみたいと思う人を増やすようなイベントが、規模は大なり小なりあります が、多くみられるようになった気がします。
その理由の一つに、サッカー界では近年、競技人口が、とくに小学生年代が減っていることが 上げられると思います。
日本サッカー協会(JFA)への小学生の登録人数の推移を調べてみると、2013年の318,538人をピークに、2020年では253,745人で、およそ6万5千人近くも減少して いることが分かります。
そのような現状もあり、気軽にサッカーに触れられる教室やイベントなどの開催は、子どもた ちにサッカーをする楽しさや、ボールに触れる楽しさを知ってもらい、サッカーをはじめる子 だもたちを増やしていく努力の取り組みだと思います。
そのおかげでサッカーに触れる子どもが実際に多くなったと思いますし、サッカーをはじめた 子も多くなったと思います。
でも、なぜか日本サッカー協会(JFA)への小学生の登録は減少しています・・・。 その要因の一つに、よく少子化問題が上げられます。
そのことに関しては、現実に僕は沖縄市の小学校を卒業しましたが、その当時は各学年5クラ スほどありましたが、現在は2~3クラスほどしかなく、当時はサッカー部もありましたが、 現在はないようですので、僕も、それは一つの要因だと思います。
しかし、ただそれだけではないと思います。
僕が考えるのは、気軽にサッカーに触れられる教室やイベントへの参加がきっかけで、「楽しい」という感情からスタートした子が多くなっているからだと思います。
ボールを追いかけること、ボールを蹴ることが、何か楽しいという気持ちです。
そして、「もっとサッカーをやりたい」「サッカーの試合も出てみたい」という気持ちに変わっていき、子どもたちは、もっとたくさんサッカーができる場を求めるようになっていくと思い ます。
その場所が、公式戦に出場できる日本サッカー協会に登録している、学校の部活や地域のクラ ブチームなんですよね。
ところが、部活や地域のクラブチームでは、試合に参加できる権利がありますが、一旦試合と なると勝敗が決まってしまうために、チームは試合に勝つことだけに比重がいき過ぎてしまう こともあります。
そうなると、サッカーをただ楽しくやりたいという本人の気持ちとは別に、周りの大人たちは 余裕をなくし、目の前の結果にこだわってしまいます。
周りの大人の目がだんだんと、チームの練習以外でも「一人で練習している姿」を求めるよう になり、「必死に頑張る姿」を求めるようになり、「勝つことへの信念をもつこと」を求める ようになります。
でも子どもたちも、上手くなりたい、試合に勝ちたいという気持ちを持っていると思います。
だた、本人よりも先に周りの大人がそういう思いになったり、思いが強くなってしまう傾向 が、子どもたちを疲弊させ、それが今の日本サッカー協会への登録の減少にもなっているよう な気がします。
指導者として、試合にしても、練習にしても、サッカーが楽しいという気持ちをおさえてしま うような環境ではなく、やらされていると思う環境ではなく、子どもたち自身が自らの気持ち でサッカーをしていると思えるような指導方法、関わり方を探求していきたいと思います。