サンビスカス沖縄/サッカースクール/幼児体育指導/運動遊び/
知念 悟
サッカースクールでは、みんなが大好きな試合で練習を終えることがほとんどです。
そんなある日の試合中に、
「コーチ、足を蹴られて痛いから少しお休みしたい。」
と言ってきた小学校低学年の男の子がいました。
「じゃあ足が痛いのが治ったら試合に戻っておいで。」
そう声をかけ、足を蹴られたその男の子は、コートの外に猛スピードで走っていきました。
全速力で走れているけどなー。(笑)
と思いながら、試合を見ながら休んでいるその子を少し気にかけてみることにしました。
5分、10分、と試合に戻ってくる様子のないその子に、
「今日はヤル気がなくなっちゃったのかな?」と思いながら、
「まだ痛い?どこを蹴られたの?」と聞いてみると、
「こっちの足が痛い!」と答えたかと思えば「やっぱりこっちを蹴られた!」と返事を返します。
どうやら、足が痛いのではなく違う理由で試合に戻りたくないようでした。
全員が試合が好きとは限らない。
どうして試合に入りたくないのか、試合の様子を見ながらその子の横に座り、話をしてみることにしました。
「A君(仮)は、サッカー好き?なにしているときが好き?試合は好き?」
いくつか聞いていくうちに、意外な返事が返ってきました。
「試合はあんまり好きじゃない!!」
A君は、試合より練習の方が好きだと答えたのです。
多くのスクール生は、練習が始まる前から最後の試合の時間を楽しみにしています。
ボク自身もこれまで様々なスポーツを経験してきましたが、試合の時間が一番楽しかったですし、試合のために練習をしているという感覚だったので、A君の気持ちが意外でした。
みなさんも試合と練習なら試合のほうが好きと答える方が多いのではないでしょうか。
なぜ試合より練習の方が好きなのか、なぜ試合が嫌なのかその子に聞いてみると、
- 練習はボールにたくさん触れる
- 試合はボールを持ったとき、敵がすぐいっぱい来るから怖い
- 速いボールがこっちに来ると怪我しそうでいやだ
このような理由を話してくれました。
反対に試合の好きな瞬間があるのか聞いてみると、
- ボールに触れたら楽しい
- 相手からボールを取れたとき嬉しい
- ゴールを決めたらお母さんがご褒美くれるから頑張れる
このように好きな理由をあげてくれました。
なぜ試合より練習のほうが好きなのか
なぜA君は、試合より練習のほうが好きなのかを考えてみることにしました。
嫌いな理由であげた「ボールを持ったとき、敵がすぐいっぱい来るから怖い」のはまだドリブルに自信がなくてどうしたらいいかわかんないから。
「速いボールがこっちに来ると怪我しそうでいや」なのは、トラップの技術やボールに対してまだ恐怖心があるから。
つまり「できる!」ことより「まだできない。」ことの方が現状では多いからだと感じました。
試合の中で楽しいと感じる、
「ボールに触れたら楽しい」
「相手からボールを取れたとき嬉しい」
この瞬間は、A君が『できる!』と感じていることが試合で発揮できたときです。
試合に対する思いを聞いたところで、A君にこう聞いてみました。
「どうやったら試合が楽しくなるかな?」
すると、
「シュートが決めることができたり、怖くなくなったら楽しいはず!」
A君の答えに対して、
「A君は練習の方が好きだから、もっと上手くなると思うし、そしたら試合でできることが増えて試合も楽しくなるといいね!」
そうボクが言うと「ちょっと頑張ってくる!」といって、休んだとき以上の全速力で試合に戻っていきました。
僕自身A君との会話のおかげで、みんなが試合が好きとは限らない。ということ知ることができました。
きっと練習をひたむきに一生懸命頑張るA君なら、これから「まだできない。」ことが、どんどん「できる!」ように成長していくと思います!
サッカースクールは、試合が大好きな子どもたちだけが通うものではなく、
“たくさんボールに触れられる練習の時間が好き。”
“友達に会えるのが嬉しい。”
そんなサッカースクールの時間を過ごす上で、子どもたち自身が感じているスクールの価値を大切にして、誰かと比べることのない、その子なりのスピードで成長する姿を応援していきたいと思います。
コーチとしては、こどもたちが「まだできない。」と感じていることを練習を通して「できる!」と自信に変えられるようにもっと練習の時間をより大切にしていきたいと感じました。
そして練習と同じくらい試合も楽しい!と思ってもらえたら嬉しいです。
Ps.最後に試合に戻ったA君に試合の感想を聞くと「2回ボールに触れたから楽しかった!」と笑顔で答えてくれました^^
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