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大城 充幹(サッカー協会公認B級コーチ)
「スイミー」という絵本をご存知ですか?
保育園の巡回運動指導では、基本的に午前中に実施することが多く、ほとんどの園が運動指導を終えると昼食の時間になります。
そのため、お昼ご飯を子どもたちと一緒に食べていくこともあるのですが、その時、お昼ご飯の準備ができるままで少し時間があるときもあります。
そんなときは、待っている間に保育園にある絵本を読むことがあります。
絵本を読んでいると、小さい頃に読んでいた絵本や読んでもらっていた絵本があったことを思い返えししていました。そんな時、ひとつだけとても思い出のある絵本があったことを思い出しました。
この絵本だけは、親に買ってほしいとお願いして、何度も読み返した記憶があります。
その絵本は、レオ・レオニという方の絵本で、「スイミー」という絵本です。ちいさな魚が主人公です。名前は「スイミー」です。彼だけ違う色をしています。そして泳ぐのは誰よりも速いです。
とっても色合いがきれいで、ワクワクや楽しさ、悲しさがつまった絵本です。
みなさんも一度は、読んだことがあるのではないでしょうか。
大人になって感じたスイミーの話。
僕が子どもの頃にこの絵本になぜ惹かれたのか?それは、物語の最後のシーンに小さなスイミーと仲間たちが、力をあわせて大きな魚を追い払うという場面が好きだったからだと思います。
たぶん一人ではできないことも、誰かと力を合わせることで大きなことを成し遂げる姿を見て、子どもながらに凄い、カッコイイと思ったからだと思います。
で、大人になってから改めて読んでみるとスイミーに学ぶことがたくさんありました。
実はスイミー。物語の最初に家族が大きな魚にみんな食べられ一人ぼっちになってしまうところから始まります。
そしていろいろな経験をして、気持ちに変化が現れ、最後には自分がリーダーとなり、困っている仲間を助けていたのです。
人に優しくできる人に。
僕はこれまで、たくさんの子どもたちと関わってきました。
その中で、これまで子どもたちに、「どんな人になってほしいか。」をいろいろ考えることも多くありました。
そして今思うことは、人が困っていたり、悩んでいることに気づいてあげることができ、そして「どうしたの?大丈夫?」と声をかけることのできる人になってほしいと思っています。
そして子どもたちに、「人に優しい人になってほしい。」ということを伝えるようにもしています。
それは大人になった僕自身も意識していることです。
でも、頭ではそのように考えていても、実際に気づいてあげたり、そのような場面ですぐに行動に移すことは、とても難しいと思ったりすることもあるんですよね。
じゃあ、行動に移せるようになるために必要なものはなんでしょうか?行動に移せるようになるために必要なもの。それは
「自信」
なのかなと思います。
自分で考えて行動する。
では、その自信はどうすればつくのでしょうか?
それは「自分で考えて行動した」という経験をたくさんするということなのかなと思います。
誰かに言われて行動したのではなく、自分で考えて行動する経験です。
そういった経験をたくさん積み重ねることで、少しずつ自信が積み重なり、いざという時に自分が先頭になって周りを引っ張ることのできる、リーダーシップを発揮できる人になれるのかなと思います。
自分自身を理解して、周りの人を理解して、そして、自分の経験をいかにして活かすことができるのか。いかにして、困っている人、悩んでいる人を救えるのか。
どうすればそんな人になれるのか。
僕たち大人が、子どもたちが自分たちで考えなければいけないような機会や環境をつくってあげることこそ、大人の重要な役割のような気がします。
皆さんにも、思い出の絵本ってありますか?
もしあるのであれば、今、大人になって読み返すと、子どもに頃に感じたものとは違うものを感じることができるかもしれません。
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