「言う」のではなく「聴く」

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大城 充幹(サッカー協会認定B級コーチ)

 

交流大会での出来事

先日のサッカースクール交流大会でのことです。

サンビスカスの交流大会では、以前スクールに通っていた子も、スクールには参加していないが兄弟がスクール生といった場合など、一緒に参加したいということであれば参加できるようにしており、今回も、そういった子も多く参加してくれました。

 

その中で、ある保護者から「今は地域の少年サッカーチームで頑張っていますが、最近は全然動かなくなってしまいました・・・」というお話があり、実際にその子が試合をしている様子を見てみると、確かに動いていませんでした。

 

動いたのはボールが近くにきたときぐらいで、それ以外は、近くのお友だちに寄っていき何か喋ろうとしたり、試合と全然関係ない方向をみていたり、その場にはいるのに、そこに参加している感じがまったくしませんでした。

 

本人に聴いてみると。

気になったので交流大会のあと「今日の交流大会は参加してみてどうでしたか?」と声をかけてみました。

 

すると「とっても楽しかった」と答えました。

 

この子にとってボールを奪いに走ったり、ドリブルで相手をかわしたり、味方にパスをしたりできなくても、その場にいることが楽しいと思える状態になっているようでした。

 

色々と聞いて私は「じゃあ、できたこと、できなかったことは何?」と聞きました。

 

するとA君は「うーん。できなかったことは全然動いていなかったこと・・・」と言いました。

 

私「じゃあ、次はどうしたほうがいいかな?」

 

A君「もっとたくさん動いてみる。」

 

私「そうだね、次はそうしてみたらもっとサッカーが楽しいかもね!」

 

と言い、やりとりを終えました。

 

そのやり取りの中には、「本当は前みたいにコートの中を思いっきり走り回ってボールを追いかけたい!」という気持ちが垣間見れました。

 

フットサルサークルでの変化

次の日、その子がクラブのフットサルサークルにも参加することになり、もう一度その子の様子を見る機会に出会えました。

 

この日も最初は、あまり動けていませんでしたが、ボールと離れたところでも、ボールの動きを目で追い、小さな動きですがボールの動きに合わせて体も動いており、そこに参加している様子が伺えました。

 

その日は、試合の合間合間にその子とこんなやり取りをしました。

 

私「今のゲームはどうだった?できたことは?できなかったとこは?」

 

A君「昨日より、ドリブルやパスが少しできた。」

 

私「どうして少しできるようになったの?」

 

A君「昨日より動いたから」

 

私「じゃあ、できなかったことは?」

 

A君「ボールを奪いにいっていない。」

 

私「じゃあどうすればできるようになるかな?」

 

A君「同じ場所に立っているだけじゃなくてドリブルしている人を追いかける」

 

私「じゃあ、次はそうしてみたら?」

 

<プレーあと>

 

私「どうだった?」

 

A君「さっきよりたくさんボールを奪うことができた」

 

私「どうして奪うことができるようになったの」

 

A君「さっきよりもたくさん走ったから」

 

そんなやり取りを繰り返しているうちに、コートの端から端まで動き回るようになり、最初に比べて動きがまったく別人のようになりました。

 

試合の最後には「はい!パス!パス!」という声を誰よりも大きな声でだせるようになっていました。

 

サークルが終わったあと、

私「なぜ、動かなかったり、パスという声をださなかったの?」

 

A君「どうせ動いてもパスって言っても、パスが来ないから」

 

私「今日はどうだった?」

 

A君「パスもたくさんもらえたし、ドリブルもパスをたくさんできた!ゴールを決めることもできた!」

 

私「それはどうしてかな?」

 

A君「たくさん動いたから!」

 

私「そうだね!じゃあ、クラブでもその調子で頑張ってね!」

 

こんなやり取りをし、最後には、保護者に確認をする前に

「また次も参加します!」

と何かが吹っ切れた様子でその場を後にしました。

 

子どもたちの様子を見て、子どもたちの思いを感じ取る

今回、私は、「なんでボールを奪いに行かないの?もっと走って!動いて!ボールを追いかけないとダメでしょう!」と一言も言っていません。

 

なぜなら本人もそれが分かっていたからです。分かっているのにできないということは、なんらかの理由があります。

 

その子がどんなふうに考えていて、どんなふうに感じているのか?

 

本当はどうありたいのか?どうしたいのか?

 

子どもたちの本当の気持ちに気づいてあげられるようにしていきたいですね。

 

 

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