サンビスカス沖縄/サッカー教室/幼児体育指導/保育園巡回指導/サッカースクール
大城 充幹(サッカー協会公認B級コーチ)
「何(どんな運動)をさせたらいいですか?」
保育園や幼稚園の先生方や、サッカースクールの保護者から、日頃の運動で、どんなことをさせてあげると子どもの動きがよくなりますか?とよく質問があります。
そんなとき「色々な動きをさせてあげるといいですよ」と答えます。
すると「色々な動きとは???」と頭の中がハテナマークになってしまいます。
そこで、運動をしている人、スポーツ(バレー・バスケット・野球・サッカー・陸上・バトミントンなど)をしている人はどんな動きをしているのかイメージしてみましょう。
走ったり、ジャンプをしたり、ボールを投げたり(ボールを蹴ったり)、道具を使ってボールを打ったりしていることなどを想像したと思います。
どんなスポーツでも様々な動きの中で行われていますね。
ですので、走ったり、跳んだり、ボールを投げたり、蹴ったり、「色々な動きをさせてあげるといいですよ」と答えています。
実際に、サンビスカス沖縄の運動指導プログラムや、サッカースクールのプログラムでも、様々な動きを取り入れています。
そして、次のことを知ることで、【子どもにどんな運動(動き)をさせてあげたらいいのか?】を考えやすくなると思うのでぜひ、目を通してみて下さい。
すべてのスポーツに必要と言われている7つの能力!
すべてのスポーツに必要と言われている能力で、「コーディネーション能力」というものがあります。
コーディネション能力には、
- リズム能力
- バランス能力
- 変換(へんかん)能力
- 反応(はんのう)能力
- 連結(れんけつ)能力
- 定位(ていい)能力
- 識別(しきべつ)能力
と7つの能力があり、スポーツを行なっている時には、これらの能力が複雑に組み合わせっていると言われています。
そのため、1つの能力でだけを伸ばすのではなく7つの能力を総合的に伸ばす必要があると言われています。
身近な子どもたちの中にも、バランスをとるのが上手い子や、リズムに合わせて身体を動かすことが得意な子がいますよね。
サッカーの場面でも、「あの子、サッカーが上手だ。」と思ったことがあると思います。
それは、身のこなしが優れていたり、状況判断が良かったり、ボールをコントロールすることが上手いなど、そういった動きを見たからだと思います。
このような動きに隠されているのが、上記に書いた7つの能力「コーディネーション能力」で、
【①状況を目や耳など五感で察知する→②それを頭で判断する→③具体的に筋肉を動かす】
といった一連の過程をスムーズに行う能力のことです。
簡単に言葉で言うと、「自分の身体を自分の思い通りに動かすことのできる能力」のことです。
では、実際に7つの能力とそれを高める方法を1つずみていきましょう。
①リズム能力
リズム能力とは、目で見たり、耳で聞いたりして得た情報からタイミングを合わせて動いていく能力です。
ある動作を繰り返して行うことが基本要素となります。
- 色々な方向へのスキップ
- 縄跳び
- 片足ケンケン
などで、ポイントはリズム良く動作を行うように意識させることです。
②バランス能力
バランス能力とは、重力に対して身体の均衡を保つための能力です。静止時、動作時に関わらず、身体の姿勢を維持・安定させて力をスムーズに出す能力です。
不安定な姿勢でプラスアルファの動作を行うことで能力を向上させます。
- 片足立ちで10秒キープ
- 片足立ちでのキャッチボール
- 片足縄跳び
- 片足ジャンプ、片足着地
③変換(へんかん)能力
変換能力とは、変わっていく状況の中で筋肉の使い方を素早く変えたり、関節の動かし方を変えたりすることで動作の切り替えや動作を調整する能力です。
- 距離の違うターゲットに向けて投げる
- 違う大きさ、重さのボールをターゲットに向けて投げる
- スピードの変化をつけたダッシュ
同じ動作をするなかで瞬時に動作のスピードを変えたり、負荷を瞬時に変えたりし、状況に合わせて動作の切り替え能力を高めます。
④反応(はんのう)能力
反応能力とは、目で見たり、音を聞いたり、合図に素早く反応し、正確に対応する能力です。
特定のことを合図として合図を確認したら素早く動作をすることが基本です。
- 掛け声や動作で素早く動く
- 動きを即座にマネをする
- 後だしジャンケン
ポイントは合図に対して素早く反応することです。
⑤連結(れんけつ)能力
連結能力とは、複数の部位を同時に動かしていくことで、ある動作を行うときに無駄なくなめらかに筋肉を連動させて動かす能力です。
考え方は、身体の無関係だと思う部位を同時に動かすことが基本です。
- 走りながら腕を回す
- スキップをしながら頭の上や前、後ろで手を叩く
- スキップをしながら頭の上や、体の横に手を動かす
身体の無関係な部位を複数同時に違う動きを入れると高い効果が期待できます。
⑥定位(ていい)能力
定位能力は、空間の中にある自分の身体の位置を把握する能力です。動いているものと自分の位置関係を把握する能力も含まれます。
基本的には上下左右前後の空間を使って様々な動作を行います。
- 馬跳び、股くぐりを交互に繰り返す
- 回りながらジャンプ
- 上下左右に飛んでくるボールをキャッチ
- キャッチボール
身体を正確に素早く動かし、自分の身体や各部位の位置が正しいかを意識します。
⑦識別(しきべつ)能力
識別能力は、上記の6つの能力を使い必要な道具を上手に使ったり、エネルギーのロスをなくして動作を行う能力です。
識別能力を高める方法は、上記の6つの能力すべてを含んだ実践的なものであり、道具を使用して様々な動きをします。
- バットを振る
- ラケットでボールを打つ
- 縄跳びを回す
さて、7つの能力とそれを高める基礎的な方法の具体例を少しだけ上げました。
こういったすべてのスポーツに共通している動作を含んだ運動を早い段階からたくさん経験していくことで、初めて行うスポーツでもすんなりとできるようになります。
お家のちょっとした場所でも、公園の小さなスペースでも、できるものばかりですので、ぜひ親子で一緒に楽しんでみてはどうでしょうか?
巡回体育指導アミーゴとは?