サンビスカス沖縄/サッカー教室/幼児体育指導/保育園巡回指導/サッカースクール
大城 充幹(サッカー協会公認B級コーチ)
サッカースクールには、いろいろな子たちがいます。
いろいろな子たちがやってきます。
そして、十人十色という言葉があるように、ものの見方、とらえ方、考え方、好み、価値観、個性など、人によってそれぞれ違います。
それらがすべて良いものであれば一番いいのですが、ときには間違ったものの見方、とらえ方、考え方をしてしまっていること(時期も)もあります。
・・・
さかのぼること2年前、こんなことがありました。
サッカーのミニゲーム中にボールの奪い合いをしている場面で、相手の手が勢い余って自分の顔にぶつかってしまった子がいました。
その子は相手の手が顔にぶつかった瞬間にボールを追いかけるのをやめ、そのままその相手に飛びかかり手を出してしまいました。
なんで手を出したのか理由を聞くと、相手がわざと殴ってきたから、と話しました。
また、ミニゲームが終わって子どもたちに、みんなでコートの片付けを終えたら向こうに集合してね、と伝えたら、みんなが片付けをしているなか、その子はその場所に一番に向かって、みんなが片付けを終えるの見ながら座って待ち。
そして、みんなが戻ってきたときに
俺が一番乗りだぜ!
と、言いました。
そんなこんなで、それから2年ほど月日が流れた頃、こんなことがありました。
ある一人の子が、新しくサッカースクールにやってきました。
そんなある日のこと。
その子が、ミニゲーム中に、ある男の子に飛びかかり手を上げました。
理由は、近い距離から相手の蹴ったボールが自分の顔に当たったからでした。
その子に、なんで手を上げたのか理由を聞くと
あいつがわざと顔に当たるように狙ってきたから
と話しました。
でもそのとき、手を上げられた子のとった行動は相手にやり返すことではなく、相手を許す行動でした。
まっ、俺もボールを顔に当ててしまったわけだし、顔にボールが当たって痛かった思うし、しょうがないかなあ
と。
そして、続けてこんなことも言いました。
なんか、昔の俺を見ているみたい
と。
このとき僕は、その手を上げられた子の様子を見て、とても成長したなあ、と思うことがありました。
その後も、ごめん、あの子(自分に手を上げた子)まだキックが上手くいっていないから、キックのやり方を教えてほしいと伝えたら。
OK!じゃあ、教えてくるね!と素直にその子のもとへ行って、熱心に教えてくれたり。
他にもいろいろ場面で頼ることも多く、下の子たちの面倒見もよく、何か手伝いますか?とよく声もかけてくれる。
今では、とても頼れる存在になっています。
他にも、幼児クラスのころは、ドリブルをしているときにボールコントロールが上手くいかないと、ボールに向かってお前が言うこと聞かないから悪いんだ、とボールに八つ当たりをして練習をやめてしまっていた子が、今では、上手くいかなくてもボールを追いかけ。
また誰にでも声をかけ、不安になっているお友達を安心させるムードメーカ的な存在になったり。
上手くいかなかったり、負ける場面になるとすぐにやらないと言ったり、泣いたり、相手が自分の使っていたボールを使うと
もう!使わないで!これ自分のボールだから!
と、言っていた子が、新しいお友達がきたときに
このボール使っていいよ!ボールをはいっと貸してあげたり。
今、目の前で起きている子どもたちの少し不安があるような行動も、これから少しずつ、変わっていくんだろうなあ。
そんな子どもたちの変化を、たくさん目の当たりにしてきたからこそ、思うことです。