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大城 充幹(サッカー協会公認B級コーチ)
サッカースクールでの出来事
「コーチ鬼ごっこやりたいな~。やっていい?」
サッカースクールで、鬼ごっこをやりたいという、一人のスクール生がいました。
サッカースクールで、みんなのやりたいこと第1位のミニゲームをやって、今日の練習を終えようと考えていた僕は、
「えっ、ミニゲームより鬼ごっこがいいのか・・・」という、なんだかなんともいえない気持ちになりながら、
「じゃあ、みんなにも鬼ごっこがやりたいか聞いてみて」と言いました。
すぐに「ミニゲームと鬼ごっこどっちがいい?まず鬼ごっこやりたい人、手をあげてー!」と、その子の大きな声にみんなが反応しました。
すると、「はーい!やりたい!」と、手をあげる人が、僕の予想よりもはるかに多く、
「ね、コーチ!やりたい人が多いからいいでしょう!よしやろう!」
という流れになりました。
その日は、午前中に雨がふったせいでいつもの芝生の広い場所を使うことができず、ちょとした小さなスペースで行っていることもあって、「子どもたちは鬼ごっこの方が楽しいかもと思っているんだなあ。」と自分に言い聞かせると同時に、何か引っかかるものがあることに気が付きました。
みんなが納得するために
その引っかかりに気づかせてくれてのは、「ミニゲームがいい」と思っていて、鬼ごっこの時に手をあげていない子どもたちの顔でした。
その子たちの顔は、「なぜ今、鬼ごっこ・・・?」と、納得のいっていない顔をしていたんです。
そんな子どもたちの表情をみて、
少数派の子どもたちの気持ちはくみとられずに、人数が多いからという理由だけで、こんなにも簡単にものごとが決まっていいのかな?本当にそれでいいのかな?
と考えてみるきっかけとなりました。
そこでお互いに納得することはできないだろうか?と思い、
みんなで話し合いをしてみることにしました。
それぞれの考え
「なぜそれをやりたいのか?」それぞれの考えや理由を話していきました。
鬼ごっこがいい人は、
「学校の違うメンバーで鬼ごっこができるのは、このスクールの時間しかない」
「いつもと違う場所での鬼ごっこは、雨が降っていていつもの場所が使えない今日のような特別な日にしかできない」など。
ミニゲームがいい人は、
「サッカースクールの時間なのに、なんで鬼ごっこなんかするのかわからない。鬼ごっこはいつでもできる。」
「サッカースクールの時間だから、コーチから『こうしたらいいよ!』とアドバイスをもらえて、サッカーが上手くなる貴重な時間だから」など。
ほかにも「鬼ごっこをやってサッカーが上手くなるの?」の発言にたいして、
「鬼ごっこでも、追いかけたり、逃げたり、たくさん走るから、足が速くなって、それがサッカーにも繋がるよ」と、それらしい答えを返したりする場面があったり、
子どもたちの考えや、とっさに考えた答えなどが次々とでてきました。
みんなが納得する方法
でも、それぞれの意見を主張するだけで、お互いに納得する気配がないまま、どんどん時間が過ぎていき、自分たちのやりたいことができる時間が少なくなっていくことに焦ったり、イライラするような態度になってきました。
そこで、僕は「鬼ごっこもサッカーも同時にできるような、第3の方法となる何かないのかな?」と言いました。
すると、じゃあ「ドリブル鬼ごっこ」はどうかな?という意見が出ました。
少し間があいて、
「うーん、それだったらサッカーにもつながるからいいかな。うーん。鬼ごっこにもなるからいいかな。」
というお互いに納得する雰囲気に。
でも話がまとまりかけていたそのとき!
みんなが鬼ごっこをしたい特別な場所に、小さな子どもが遊びにきたため、結局鬼ごっこの話はなくなり、みんなで仲良くミニゲームをすることになりました。
気をつけたいこと
僕は、スクールが終わるときに
「ミニゲームをやりたい人、鬼ごっこをやりたい人、その両方が納得するような方法ってほかにもなかったかな?たとえば、時間を半分に区切って、両方をやったりとか?」
と言う話をしました。
そのときの子どもたちの顔は、
おーなるほど!という顔の子もいれば、
えー、ぜんぶ鬼ごっこの時間がいいのに・・・。
という顔の子も。
うーん。双方が納得することは難しい。
だけど。
大事なことは、みんなで自分の考えを話し合うことなのでは。
それを、すっ飛ばして
なんでもかんでも多数決で簡単に決まってしまう。決めてしまう。
そんなことに気をつけようと思いまいした。
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