サンビスカス沖縄/サッカースクール/運動あそび/障がい者スポーツ指導員
谷本 優希
ドタドタドタドタッ!!!と足音が聞こえたかと思えば
バコーーーーン!!と引き戸が開かれる。
「ゆっちゃーーーーーん!!!」って。
「たのもーーーーーう!!!」の勢いで。
「そんなに勇み込んでどうしたんだい?」
「あのね!これね!プープーってして!プープーって!」
何かを吹く仕草をしている3歳甥っ子
すかさず横から翻訳する5歳姪っ子
「風船膨らませてって言ってる(*´-`)」
「ぁ~、風船か。そういえば、自分で膨らませたこと無いんじゃない??やってみたら??」
「ぇーーー(T-T) できないもん。やってやってー。やってよ~」
もう年長さんの姪っ子。もしかしたら膨らませれるようになるかも?と思いつつ、本人的には全く自分で膨らませたいという気持ちがなさそうなのでまぁいいか、とも思いつつ。
「じゃあ膨らませるのは担当するから、膨らませやすいように風船柔らかくしてくれる?」
「こうやって、ビヨーンビヨーンって伸ばしておくと、膨らませるときラクなんだ~(ノv`*)」
それぞれに風船を渡すと
姪っ子は目を見開いて、歯を食いしばり、力一杯に引っ張っている。
甥っ子に関しては、表情を作るのに必死で、全然力入ってない。ぷぷぷ
今度は2人で引っ張ってみる。
両端をもって、ソーレ、ソーレ!
2人同時に引っ張るのかと思いきや、シーソーのように、引っ張っては引っ張られ。
右へ左へと仲良く揺られているだけ。ぷぷぷ
今度は輪ゴムを飛ばすときみたいに、ググ~っと引っ張って、パッ!と離す。ピューんって飛んでいくはずなのに、両手を同時に離してしまって、ポトンと落ちる。すぐそこ足元に落ちているのに、飛んだはずだと思い込んで遠くを探している2人。ぷぷぷ
そんな茶番のような遊びをしていたら、膨らませる前の風船で1時間は経過していた。
「そろそろ柔らかくなったかなぁ~?」と声をかけると
「プープーってして~」と言うので、膨らませてみる。
口は結ばず、「3・2・1・・・」の掛け声で手を離すと
ブブブブブ~!!と音を立てながらロケットみたいに飛んでいった。
クルッと宙返りするかのように方向転換をする風船ロケット。
追いかけるのが楽しいらしい。
「もう一回!もう一回やって!」のエンドレス。
さすがにもう膨らませるの疲れたなぁ…
と言う頃になって、姪っ子が「やってみたい!」と言った。
「ん??やってみる?なにを?」
「ゆっちゃんみたいに、膨らませてみたい!」
これには、「やったぜヾ(゚ε゚*)ノ」と心の中でガッツポーズしましたね。
最初は自分で膨らませたがらなかった姪っ子。
きっと、ただただ興味がなかったんだと思います。
風船は膨らませてあるもの。
ふわふわ浮いて面白いもの。
と言う認識だった姪っ子にとって、「膨らませる」という部分には興味がなかった。ただそれだけ。
できないことを頑張れない。とか、諦めが早い。とか、そういうことではなくて。
面白そう!って思わなかったからやらなかった。ただそれだけ。
膨らんでいない状態の風船で遊んでみたら、膨らんでいない風船と仲良くなった。
膨らんでいない状態の風船と距離が縮まった。
だから、膨らんでいない風船を口に咥えて、膨らませてみることにも興味を持った。
子どもってほんと素直だなぁと思います。
面白そう!やってみたいな!ってワクワクしたら、体が勝手に動き出す。
私的には、雑貨屋さんで面白いモノを見つけたときの感覚に近い。
なんだこれ?って目に止まった商品を、手にとってみて、触ったり使ったりしてみて、ウホっ⭐︎とワクワクしたら、もう自分のものにしたくなって、レジに向かっちゃってる、あの感じ。
これが家にあったら♪これを手に入れたら♪
面白いかも!って思った時には、すーぐ買っちゃう。
子どもの体が勝手に動いている時と同じ気がする。
夏休みと、この自粛期間で、「うちの子に逆上がり教えてください。縄跳び教えてください」という依頼が多かったのですが。
いざ、お子さんに会ってみると、そんなにできるようになりたいと思ってなさそう。という感じの子が多かったです。
逆上がりや縄跳びをできるようになることに対して、興味が向いてない感じ。
鉄棒といえば逆上がり。
縄跳びといえば回して連続で跳ぶもの。
そういうイメージしか持っていなかったら、それができないのなら面白くない。と、鉄棒・縄跳びに距離を置きます。
いきなり回ろうとしないで。いきなり跳ぼうとしなくて大丈夫。
まずは遊ぼう。鉄棒や縄跳びと仲良くなって、距離を詰めよう。
「やってみたい!」という興味を持つまでは、その道具を使った遊びで存分に楽しみましょうぞ(*´pq`)
のんびり、ゆっくり。
一人ひとりのペースに合わせて、運動を楽しめたらいいな⭐︎