サンビスカス沖縄/サッカー教室/幼児体育指導/保育園巡回指導/サッカースクール
大城 充幹(サッカー協会公認B級コーチ)
自分で考えることが苦手。
サッカースクールの子どもたちに学校の勉強のことを聞くことがよくあります。
今日、学校でどんなことを習ったの?と僕が聞くと、子どもたちは「国語〜」
僕が国語でどんなことを習ったの?聞くと「今日は漢字を習ったよ〜」
そんなやりとりから、学校の宿題、家庭学習の話になりました。
2年生のある子が言いました。
「今は習った漢字をノートに書いてきたり、写本をしたりするだけでいいけど、3年生になったら自由にノートに書かないといけないから嫌だー」
どうして嫌なの?と僕が聞くと。
「自分で何を書くか考えないといけないから、嫌だー」、「決められたことをやってくるほうが簡単だからいいー」と言いました。
この言葉を聞いた時に、僕自身もそういう子だったなぁと思い出しました。
なので、国語の時間、本を読んで自分の感じたことを書く読書感想文がとても苦手で嫌でした。
でも漢字のテストは特に嫌だったという記憶はありません。
むしろ、習ったことを何度も書いて覚えると、テストでいい点を取れることが嬉しかったような気がします。
サンビスカス沖縄オリジナルのサッカーノートがあるんです!
サンビスカスのサッカースクールは、
- エントリークラス
- ベーシックコース
- ガチンコクラス
と、3つのコースがあります。
ベーシックコースとガチンココースは、サンビスカス沖縄オリジナルサッカーノートというものがあり、それを子どもたちに渡しています。
そのノートに子どもたちが自ら、
- 今月の課題
- スクールで練習したこと
- スクールでできたこと、できなかったこと
- コーチに聞きたいこと
などを記入し、僕たちコーチとやりとりを行います。
それらのコースを選択した理由はいろいろだと思います。
ある時、サッカーノートがあるコースを選択した保護者の方と話をしたことがあります。話をするきっかけになったのは、その子に「サッカーノートを持ってきてコーチに見せてね!」と言っても全然持ってこないことが続いたからでした。
そのあと保護者から、
「書くことが苦手で、学校の宿題や家庭学習もまったくできないんです。だからサッカーノートを書くことも難しいと言っています。自分の好きなサッカーのことなら書くことができ、それが学校の宿題や家庭学習ができるようになることにも繋がると思い、本人もサッカーのことなら書けるかもと言っていたので・・・」
と話してくれました。
ノートを通して変化が!
その話を聞いてからは、とりあえずノートをスクールに持ってくるようにその子に話をしました。
そして一人で書くことが難しいなら、スクールが終わった後に一緒に書くことからはじめてみようと話しました。
それから、毎週ノートを持ってきてくれ、一緒に書いていきました。
すると、ある日変化がみられました!
それは、サッカースクールでも積極的に練習へ取り組むようになったことでした!
表情も以前より明るく、自信ものぞかせ、楽しそうにサッカーをするようになっているなぁと感じることができました。
そのほかにも、ノートを一緒に書いていると、サッカー以外のいろいろな話を子どもの方からしてくるようにもなりました。
僕は、以前よりもその子と、よりよいコミュニケーションをとることができるようになっていくことに嬉しくなりました。
人間にしかない能力!?
実は、人には、人間にしかない能力があるそうです。
それは、「振り返る」ことだそうです。
サッカーノートで、自分でできるようになりたいことを書き、どんな練習をやったかを書き、その中で、できたこと、できなかったことを書き、また、自分でできるようになりたいことを書く。
そうすることで練習の中で少しずつノートに書いたことを意識できるようになり、
・それを意識した行動ができていたのか?
・それがどのくらいできたのか?
・それとも、まだ意識して行動できていなかったのか?
と振り返る時間があることが大事なことだと思いました。
時代の変化による求められる能力
- ノートを自分から持ってくる子。
- 持ってきてね!と声をかけたたら持ってくる子。
- 声をかけても持ってこない子。
- 一人で書くのが難しいなら一緒に書くから持ってきてね!と声をかけたら持ってくる子。
- それでも持ってこない子。
いろいろな子がいます。
それでも、ノートに書くということを、できるだけサポートできたらいいなぁと思います。
前の部分で話したように、学校から与えられたもの、たとえば「今日習った漢字を5回ずつ書いてきてください」や「教科書の何ページからページまで写本してきてください」というものをしっかりやることも大切だと思います。
でも与えられたものだけをやるということは、何も考えないでこなすこともできるということにもなります。
そして、それはただの作業になってしまい、何も考えないでできることの方が楽でいい。ということにもなってしまう怖いものだとも思いました。
でも、少し前までは、それでもよかったと思います。会社もそういう人を、求めていたかもしれません。
なぜなら、日本の人口が増えている途中は、ものやサービスをいくら作っても、受け取る人がいたからです。
余計なことをしないで与えられたことを淡々と繰り返すことのできる人が求められていたと思います。
しかし、いま日本の人口は減少しています。ものやサービスを作っても余ってしまいます。
そして、これまで人間がしていた仕事も、ロボットが代わりにするようになってきています。
これから、いまある仕事がどんどんロボットにかわっていくと言われています。
でも、仕事はなくなるのではなく、人間にしかできない仕事が新しくできたり、いまある人間にしかできない仕事の価値がさらに高まっていくと思います。
サッカーと繋げることで、自分で考えて書くことができるようなり、少しづつ自信を増やしていく。
その自信が、自分の頭で考える、そして行動することができる人に繋がると思います。
サッカーノートが、そんな一つのきっかけとなってくれたら嬉しいです。